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オール野党「安倍降ろしの野望」も不安要素だらけ!

[週刊大衆03月21日号]

オール野党「安倍降ろしの野望」も不安要素だらけ!

 衆参同日の噂もある今夏の参院選。安倍一強の牙城を崩すべく野党5党が結集。しかし、その内情は……?

「自民党に天罰を、公明党に仏罰を!」 登壇した有識者からは、こんな掛け声も飛び出した2月20日の社民党大会。しかし、最大のサプライズは共産党の志位和夫委員長が初出席したことだった。民主、共産、社民、維新、生活の野党5党の党首、幹事長クラスが勢揃いし、夏の参院選での共闘を訴えた。「共産党幹部が社民党大会に参加するのは、旧社会党時代を含めて初めてです。幕末の歴史になぞらえると、過去の恩讐を越え、討幕のために雄藩が大同団結したようなもの。まさに、歴史的な瞬間となりました」(社民党関係者)

 その前日には、国会内で野党5党の党首会談が開かれ、共産党の志位委員長が参院選1人区の候補者調整をめぐり、「思い切った対応をしたい」と発言している。事実上、野党共闘のために共産党が「1人区の出馬を辞退してもいい」と言ったのも同然だ。「この志位発言には、他党の党首が驚きの表情を浮かべました。これで一気に、民主と維新との合併に弾みがついたんです」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)

 こうして民主党と維新の党は3月中に合流する方針を固め、1日には両党の代表らが初会合を開いた。これまで“一強”といわれ続けてきた安倍晋三首相に、牙を剥く“オール野党連合”。安倍政権にとって最大のピンチか!? こうした情勢を受け、政局好きの一部マスコミからは早くも、「4月の衆院解散・総選挙」という話まで飛び出している。

「日銀が導入したマイナス金利政策も功を奏さず、今後、さらに中国経済が悪化する事態となれば、アベノミクスは万策尽きる。そこに、オール野党が実現すると、万が一という事態もありえる。野党の足並みがそろわないうちに、解散しようという思惑でしょう」(民放の政治部デスク)

 ただ、前出の鈴木氏によると、「自民党内では、(野党連合)恐るるに足らずという声が圧倒的ですね。4月解散説にしても、菅義偉官房長官や党の選対が、党内引き締めのために(情報を)流しているといわれます」 実際には“雄藩連合”どころか、この野党の大同団結は、中身がない野合にすぎないとして、“オカラ連合”と揶揄(やゆ)されているとか。「実際、表面的には反安倍政権で結束しているかに見えて、その実は一枚岩ではない。現在も民主・維新の合体後の党名が焦点になっていますが、岡田克也代表自身、党名変更に消極的。その背景には支持団体の連合の意向があるようで、結局、“民主”の二文字は残るようです」(全国紙記者)

 これに対して党内からは、「抜本的な党名変更はもちろん、執行部も一新すべき」(民主党関係者)という声も出始めているという。民主党大阪府連などは、新党結成後に、代表選(来年9月予定)を前倒して実施するよう求める緊急要望書を岡田代表に提出している。「細野豪志政調会長や前原誠司元代表といった党の重鎮は、合併を渋っていた岡田代表の寝首をかく計画を立てていたのです。無為無策のまま参院選に惨敗すれば引責辞任するしかなくなるので、そこで代表の座を奪う算段だったわけです。ところが一転、岡田代表が維新との合流を決断したため、細野、前原の両氏の目論みは外れてしまった。ただ、この2人が巻き返しを狙い、執行部一新の動きが強まれば、新民主党は空中分解してしまうでしょうね」(前同)

 オール野党の核となる民主党が、この体たらく。一方、その民主党との合併に突き進む維新の党の松野頼久代表は、“政界寝業師”の異名を取る曲者だ。「父親の松野頼三氏(自民党総務会長や防衛庁長官などを歴任)も寝業師といわれた政治家。頼久氏は民主党公認で初当選し、鳩山由紀夫元首相の官房副長官を務めました。ところが、民主党が失速すると、当時上り調子だった維新に逃げ込みました。党内では“信念のない風見鶏”と揶揄する人もいます」(前出の民主党関係者)

 それだけに、今回の合併にも、反安倍の大義よりも個人的な思惑が見え隠れしているという。「民主の候補の場合、ポスター貼りなどを連合の関係者が手伝ってくれます。松野氏は民主党を離党した後の選挙で、彼らが助けてくれることのありがたみを痛感したそうです」(前同) これでは、合流しても、「野合にすぎない」(自民党中堅議員)と批判されるのもうなずける。

 政治評論家の浅川博忠氏が、こう続ける。「まず、(野党連合の)政策協定があいまい。反自民だけが共通点です。ただ一点評価できるのは、共産党が参加していること。一強の安倍政権下にあって、対極の地位を確かなものとし、近年の地方選挙で議席を伸ばしています。共産党の躍進と野党連合の歯車が噛み合えば、参院の1人区で自民党候補者を破ることができるかもしれません」

 今夏の参院選から選挙権が18歳に引き下げられることも、共産党には“追い風”だという。「安保法制に反対するデモで名を売った学生団体のSEALDs(シールズ)は、永田町では共産党委員長の名と掛けて、“シールズ=志位ルズ”と呼ばれています。共産党は貧困問題に取り組む姿勢を見せるなど、学生や若者に取っつきやすいマニフェストが多い。SEALDsのような運動を一部党員がバックアップしているとの噂もあり、学生や若年層に確実に支持を広げているのです」(前出の自民党中堅議員)

 とはいえ、自民党には“共産退治”の秘策があるという。それが連立を組む公明党の存在だ。「公明党の支持団体である創価学会と、共産党の支持層は重複するケースが多いため、学会員に共産党の牙城を切り崩させる戦術です」(前出の全国紙記者)

 民主党内からも、公明党を警戒する声が上がっているという。「公明さんは、“対共産”となると、昔から躍起になるところがありますからね。わが党の議員の中にも、選挙の際に地元の学会票を当てにしている者が、かなりいます。そうした事情からも、公明さんと敵対する共産と組まないほうがいいという意見があるのです」(前出の民主党関係者)

 オール野党といっても、内実がこれでは、確かに“オカラ”も同様。加えて、合併相手の維新関係者は、こう耳打ちする。「野党勢力を幅広く結集すると言いながら、民主党幹部は3名の議員の名を出し、“彼らは除外する”と明言しているのです」

 その1人は、かつて“剛腕”の名をほしいままにした生活の党の小沢一郎共同代表だ。小沢代表は、民主党時代に党を分裂させ党勢減退を招いた張本人とされ、「小沢抜きでなければ辞表を出す」と息巻く民主幹部もいるとか。「小沢氏の他、同じく生活の党共同代表の山本太郎氏、それから福島瑞穂社民党前党首の3人が“仲間外れ”にされるというのです」(民主党中堅議員)

 “仲間外れ3人衆”のうち、特に小沢代表の扱いを巡って、新たな火種が燻っているという。「民主党内に“小沢アレルギー”が強いのは事実。ただ一方で、政界には“小沢チルドレン”がまだ残っています。維新の松野代表もその一人で、彼は“政権を奪取したら、小沢氏を国対委員長に据えたい”と言っているくらいですからね」(前出の維新関係者)

 ことほどさように、“オール野党”とは名ばかりで、もはや、野合すら実現できそうにない状況なのだ。おまけに、記事冒頭の4月衆院解散説については、こんな裏話も飛び出す始末。「もともとは官邸筋が引き締めのために流した情報ですが、それを鵜呑みにして4月解散の噂をバラ撒いているのは、民主党の枝野幸男幹事長。伊勢志摩サミットを控え、安倍首相は5月の連休中に欧州を歴訪する必要があります。その頃に選挙なんてやっていられません」(前出の記者)

 自民党内での枝野幹事長評は、“政局勘のない人”で一致しているという。「野合の野党をよそに、自民党は余裕綽々。女子サッカーの澤穂希氏や、キャスターの小谷真生子氏らを候補に立て、オール野党陣営の都市部での票を切り崩す算段に余念がありません」(前同)

 前出の鈴木氏が言う。「野党各党はもはや、好き嫌いを言っている場合ではありません。小沢氏という毒すら飲み込む覚悟で、緊迫感ある2大政党制の実現を図ってもらいたい」 少なくとも巨大与党に対抗できるのは“オカラ”ではないだろう。

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