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女性に嫌われた「安倍政権の末路」参院選大敗の可能性

[週刊大衆04月04日号]

女性に嫌われた「安倍政権の末路」参院選大敗の可能性

 ネットに上げられた一つの声を軽視したことで起こった大炎上。だが、燻り続ける火種はいくつもあり……。

「私も認可保育園に落ちた母親の一人。落ちて間もなく『日本死ね!!』のブログを見て共感しました。だって、そうでしょう。保育士の数が足りない事情はすでに分かっているし、かといって、受かった人を恨むわけにはいかず、どこに怒りをぶつけていいのか……」 こう話すのは、3月5日、国会議事堂前で行われたデモに参加した松下由美さん。彼女は当日、「♯保育園落ちたの私だ」と書かれたプラカードを持った主婦たちとともに、前述のような切実な思いを訴えたという。

 確かに、保育園に子どもを預けたくても預けられない待機児童問題は、深刻な状況。このことで仕事を辞めなければならない母親が後を絶たないのだ。今、この問題に端を発して、女性が安倍政権に抱いていた不満が爆発寸前にまで膨張している――。

 匿名で書かれた『保育園落ちた日本死ね!!』のブログは、2月15日にアップされて以来、SNSを通じて日本中に急速に広まった。5歳の息子を持つ民主党・山尾志桜里議員が、衆院予算委員会でこの問題を取り上げたのは2月29日のこと。しかし、安倍晋三首相が「(ブログは)匿名である以上、本当であるかどうか確かめようがない」と切り捨てると、与党議員らは俄然勢いづき、「誰が書いたんだよ!」「出典は? 出典!」そして、ついには「うざーい」とヤジが飛んだ。これがネットで大炎上。事態が国会前のデモにまで発展し、ヤジを飛ばした一人、自民党の平沢勝栄衆院議員がようやく、『羽鳥慎一モーニングショー』(テレビ朝日系、3月10日放送)に生出演して釈明。ところが、これがかえって火に油を注ぐ結果となった。

 平沢議員が「これ(ブログ)は本当に女性の方が書いた文書ですかね」と発言するや、コメンテーターの高木美保から「女性とか男性とか関係ないでしょ!」と叱責を食らったのだ。だが、それに動じない平沢議員が「もうちょっと訴え方ってあると思います。言葉が日本語としては汚い」と続けたことで、女性たちの怒りは頂点に達する。「誰が書こうと、落ちた人にしてみれば、“日本死ね!!”と言いたいほど絶望的な気持ちになるということ。安倍政権は、本当に痛みを抱えている人の気持ちが分かっていないんです」(前出の松下さん)

 さらに、平沢議員が番組で火だるまになった翌日の参院本会議で、安倍首相が「保育所」を「保健所」と言い間違え、「いくら待機児童問題に全力を尽くすと口では言っても、これでは信じられない」などと野党から再び批判される始末。かくして、今や女性たちの怒りは、安倍政治そのものへ向けられている。政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏は、こう言う。「保育園問題での首相の対応は、場合によっては政変のキッカケになりかねません。まずは政権支持率で、毎日新聞が今月5~6日に調査した結果では、安倍政権の支持率がマイナス9ポイントでした。中でも女性はマイナス11ポイントと、明らかに保育園問題が影響しています」

 さらに、かの“ゲス不倫議員”こと、宮崎謙介元議員が育児休暇中に元女性タレントと不倫したスキャンダルも、支持率急落の原因のひとつといわれている。結果的に、宮崎元議員の辞職に伴う補選(京都3区、4月24日投開票)で自民党は候補すら立てられず、“不戦敗”は決定的だ。「見る目がなかったといえば、それまでですが、宮崎元議員が男性議員の育児休暇取得を宣言した際、“これでこそ政治家”と絶賛した安倍首相に、女性たちが厳しい目を向けているのは当然のことでしょうね」(女性誌記者)

 評論家の小沢遼子氏は、「保育園や宮崎元議員の問題だけじゃないわよ」として、こう続ける。「(安倍政権には)要介護1と2の人を介護保険の対象から外す動きがあるんです。子どもを持ち、さらに親の介護までしなければならないといけないとなると、女性の負担が増えるのは目に見えているわよねえ」

 安倍政権は「1億総活躍社会」を標榜し、“介護の離職ゼロ”と“女性の活躍”をスローガンに掲げているが、「言っていることと、やっていることが矛盾だらけ」(前出の鈴木氏)だというのだ。

 現在、睡眠障害による体調不良で長期療養中の甘利明前経済再生担当相の収賄疑惑こそかわしたものの、その後の政界ゲス不倫に続き、待機児童問題で怒りを買った安倍政権。「これで介護保険の件をゴリ押ししたら、女性たちから最後通牒を突きつけられかねない」(自民党関係者)という危機感が内部でも漂い始めているという。

 民主党と維新の党が合流して「民進党」が新たに船出しようが、「どうぞ、お好きに」の“1強政権”の最大のアキレス腱は、女性有権者への対応ミスであることは間違いなさそうだ。前出の小沢氏は、「安倍首相はときおり薄ら笑いを浮かべて話すでしょう。そもそも、私の周りの女性で安倍首相に好感を持っている人はいませんよ」とバッサリなのだが、どうやら読者諸兄の知らないところで、安倍首相は不満を持たれているどころか、女性たちに完全に嫌われまくっている様子。それが顕在化してきたのは、昨年夏のことだ。

 昨年7月、女性週刊誌は相次いで、安倍政権が進めていた安保法制を痛烈に批判する記事を掲載した。それはテレビの報道番組やネットなどでも大きく取り上げられ、話題になった。当時、10ページ特集『「戦争法案」とニッポンの行方――あなたの子どもがアメリカのために殺し、殺される国になる!』を掲載した週刊女性の寺田文一編集長はこう語る。「安倍首相がアメリカの議会で勝手に、“安保法案を夏までに成立させる”とやってきてしまった。女性たちの間から、安倍さんが進める政治に強く反対する声が聞こえてきましたので、特集を組んだんです」

 すると……反響は予想以上に大きかったようだ。「編集部には“デモの日程を教えてほしい”“うちの近くでデモはやりませんか?”といった問い合わせも届きました。記事の人気投票でも、女性誌の看板、芸能記事を差し置き、1位を取ることもありました」

 前出の松下さんも語る。「安倍首相の悲願は憲法9条を改正することなんですよね。だから、安倍首相が“1億総活躍社会”と言うと、“1億総玉砕”と言っているようなニオイを、つい感じてしまうんですよ……」

 この他、安倍首相が「先送りは頭の片隅にもない」と断言する消費増税でも、もちろん主婦層の反発を買っている。さらに、今年初めの衆院予算委員会で安倍首相が放った「妻がパートに出て25万円」発言が、世の女性たちを唖然とさせた。「もちろん、安倍首相は、“たとえば”の話をしているのは分かりますが、だとしてもパートで月25万円を稼げると発言してしまう感覚が、一般社会とあまりにもかけ離れている。そもそも、この発言は、景気が良くなり雇用が増えてきたから妻がパートに、という文脈で語られていることに驚きます。生活が苦しいからパートに出るしかない庶民の貧困の実態に、無理解すぎますよ」(前出の女性誌記者)

 さて、現状では早くも「自民大勝」が予想される夏の参院選なのだが、前出の鈴木氏はこう分析する。「女性が選挙に与える影響力は決して侮れません。古くは消費税の導入を巡り、1989年、旧社会党の土井たか子委員長が引っ張った“マドンナ旋風”がありましたよね。今度の参議院選挙でも女性を敵に回した“結果”が出る可能性があると思います。待機児童問題や介護保険問題など、生活に直結する問題について女性は非常に敏感に反応するもの。実生活を支えているのは、女性たちですからね」

 働く女性たちの悲痛な声となって表れた「日本死ね!!」。それに対して「うざーい」などといったオヤジ議員たちのヤジの数々。「そのひと言ひと言が蜂の一刺しとなって安倍首相に跳ね返ってくる……そんな参議院選挙となるかもしれません」(前同) いつの世も女は怖い。頬に強烈なビンタが見舞われるかもしれない、安倍首相にとっての試練の夏が、着々と迫ってきている。

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