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認知症の母に新しい恋人、結婚したいと言うのですが…【女の法律相談室】

認知症の母に新しい恋人、結婚したいと言うのですが…【女の法律相談室】

今回の相談:お互い認知症がある熟年夫婦の離婚は認められますか?(ハナ/45歳/主婦)

 旦那の両親のことで相談です。旦那の父親は80歳、母親は77歳、旦那は一人っ子です。もともとは私たち家族(中学生の子供が2人います)と同居していましたが、3年ほど前から義母のほうに認知症が始まり足も不自由になったため、最初は私が介護していました。すると、今度は義父にも認知症らしき症状が表われたのでいよいよお世話も大変になってきて、一年半ほど前に、まずは義母だけ特別養護老人施設に入所してもらうことにしました。私たちが住む地域はどこも老人施設は満員で、義父に関してはまだ順番が回ってこないということでした。我が家はそこまで裕福ではないので有料老人施設は入れそうもありません。

 義母は、施設に入ってから少し認知症がよくなり、ホールでお友達と手芸やカラオケなどをして毎日楽しんでいるようで、こちらとしてもホッとしていました。いっぽう義父は、体は丈夫なのでやや認知症がありますが、要介護認定は一番低いもの。週に2度ほどデイサービスに通ってもらって、私もその間は息抜きできるという感じです。

 そうこうするうちに、なんと施設に入っている義母に新しい「恋人」ができたのです! 相手は同じ施設の80代の男性なのですが、「残りわずかな人生をこの人と暮らす」から離婚すると言ってききません。相手の男性は独身で、プラトニックですがお互い真剣なようです。相手の男性に認知症はありません。もちろん、これを聞いた義父は憤慨。「離婚はしない!」「裁判だ!」などと喚き立て、嫉妬で認知症が進んだような気すらします。

 義母は最近すっかり小綺麗になり、家にいたころとは人が変わったように明るくなりました。認知症が治ったわけではありませんが……認知症同士の離婚ってありえるんでしょうか?

  ご相談の回答者

○弁護士・古川穣史

男女の問題から刑事事件まで、なんでもござれ。「一期一会」の精神で皆さんのお気持ちに向き合いたいと思います。一緒に最善の解決へと向かっていきましょう!

○ライター・もしだ

主婦でライター。宮沢りえ、ゴクミと同じ年齢(むろん面識はない)。法律のことはてんでわかりません!

○編集部・ブリ子

アラフォー独女。最近老後のために、高い保険に入りました。

もしだ:死んだ父も晩年はデイサービス利用してたけど、オシャレしてきてるご婦人、けっこういたな~。

ブリ子:今後、高齢化が進むと増えてきそうな問題ですねー。私の母は介護施設で働いていますが、お年寄りの色恋トラブルはかなり多いらしいですよ。先生、今回のケースはいかがですか?

古川:認知症になっていても婚姻や離婚がどういうものか理解できていて、その意思を表示できるのであれば離婚は可能です。今回、相談をくれたハナさんの義理のご両親も離婚がなにかわかっているように思えますので、離婚自体はできるでしょう。

ブリ子:そうなんですかー。

古川:ただし、今回は義理のお父様が離婚したくないと言っておりますので、協議で離婚できなければ、離婚調停、裁判に進むことになると思います。

もしだ:なるほど。でも、認知症のお年寄りは治ったように見えて実はまだ認知症だったってケースもあるから家族は困りモノだねえ。

ブリ子:たとえば調停、裁判となってから、義理のお父さんの認知症がもっと進んで、判断能力が著しく低下した場合は代理人が話し合いを継続することになるんですかね?

古川:その場合は成年後見人をつけるのが一般的だと思います。

もしだ:成年後見人は身内の人間がなるんですか?

古川:身内の方がなることが多いですが、それ以外の専門の方がなったりもします。ただ、成年後見人をつけるためには家庭裁判所に申し立てないといけませんね。

ブリ子:先生が今回の義理のお父さんを弁護するとしたら、どういった落としどころになりますか?

古川:なかなか面白い質問ですね(笑)。義理のお父様を弁護するのであれば、本人は離婚したくないと言っていますから、相手からの離婚の請求は拒否しましょうとアドバイスするでしょうね。ご高齢ですし、あまり負担はかけたくないですが、やはり本人の気持ちを尊重したいと思います。

ブリ子:逆に義理のお母さんを弁護する場合は、どんな決着の仕方を想定しますか。

古川:こちらもお母様のお気持ちは尊重して、離婚したいと言っていることをお父様にお伝えしますね。それでお父様の気持ちが動いてくれればいいんですが……。ただ、それが難しい場合でも、私は離婚調停を勧めないと思います。

もしだ:ほお~。離婚調停をしても義理のお父さんを納得させることは難しいからですか。

古川:まあそれもありますし、この場合もお父様に裁判所まで来てもらって話し合いをさせるのは健康面からいって酷ではないかと思うので。

ブリ子:できればみんなが穏やかに老後を過ごせるのが一番ですよね~。

もしだ:人生の終盤で泥沼の争いをしても誰も幸せにならないしー。

ブリ子:ただ、年をとっているからこそ、残りの人生を楽しみたいという義理のお母さんの気持ちも少しだけわかります。男女の仲だけは年をとったからうまくやれる、というものでもないのかもしれませんね。

古川:意思がしっかりしているのだから、調停をやりましょうという弁護士もいるとは思いますが、私はそこまではできません。相談者の旦那様からうまくご両親を説得してもらい、折り合いをつけて欲しいというのが本音です。

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【古川穣史(ふるかわじょうじ) プロフィール】

弁護士。一橋大学商学部、早稲田大学法科大学院卒業。離婚男女問題、遺産相続、犯罪・刑事弁護など幅広い分野を得意とする。八木良和法律事務所に所属。

<古川先生へのお問い合わせ>
■八木良和法律事務所
Tel:03-3351-2770
〒160-0006 東京都新宿区舟町1-18ロイクラトン四谷8F
https://www.bengo4.com/tokyo/a_13104/l_263823/

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