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プロ野球「後半戦に大どんでん返し!?」データ分析で大予測!!

[週刊大衆07月25日号]

プロ野球「後半戦に大どんでん返し!?」データ分析で大予測!!

 セ・パ両リーグとも、すでに優勝は決まったと思われがちだが、最後に大どんでん返しアリと数字が物語っている!

 セは広島、パはソフトバンクの「独走」で前半戦を折り返す2016プロ野球。このまま、すんなり優勝が決まってしまうのか。それとも……? そこで本誌は、メジャーリーグなどで選手の本当の能力を分析する手法として使われている「セイバーメトリクス理論」の指標を駆使して、各チームの「本当の強さ」を分析。後半戦の行方を占ってみた。

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 表を見ると、広島、ソフトバンクともに「首位にいるべき」実力と勢いを持ったチームであることが数字の上からも一目瞭然。緒方孝市監督も工藤公康監督も、「孝行息子」たちに囲まれ、あまり苦労せずに勝ち進んでいるようなイメージがある。しかし、その内容をより細かく吟味してみると、必ずしも、その立場が「盤石」ではないことが分かる。まずはパ・リーグから見てみよう。

 4月の開幕から猛ダッシュを仕掛け、交流戦もぶっちぎりの優勝を飾ったソフトバンク。豪快に打ち勝っているイメージだが、今年は少し違う。チーム打率はパ・リーグ3位と高くはないが、OPSの値は2位。この秘密は、299個というリーグ一の四球の多さと.399と、これまたトップの長打率。選球眼の良さと、ここぞというときの一発がソフトバンクの強さを支えているのだ。ところが、これが諸刃の剣。“打線は水物〞といわれるように、打てないときはサッパリ打てなくなってしまう。7月上旬の3試合連続完封負けは、その典型的な例と言えるだろう。だが、それを補える投手力が、もう一つの強さの秘密だ。

 最多勝争いをする和田を筆頭に、防御率2点台の武田、千賀など、WHIPが1.2以下の投手がゴロゴロいる。しかし、ここにも不安要素が……。「シーズンを通して絶対的な安定感を持つエースがいないのが、逆に弱点でもあります。メジャーで登板の少なかった和田や今年ブレイクの千賀の後半戦は未知数ですし、5月までに6勝を挙げながら疲労で6月に登録抹消されたバンデンハークの息切れも心配です」(ベテラン野球記者)

 ここにきて、弱点が露呈してきたとも言えるソフトバンクだが、それを尻目に、激しく追い上げてきたのが日本ハムとロッテだ。日ハムは、なんといっても大谷、有原の先発2枚看板が素晴らしい。パ・リーグのWHIPランキングでは、大谷1位、有原2位とワンツーを独占。防御率トップのロッテ・石川も四球の多さから、WHIPでは2人の後塵を拝している。「リリーフ陣も、クローザーでいま一つだった増井を中継ぎに回し、マーティンを後ろに持ってきたことで安定感が増した」(前同)

 勝利の方程式が完成したとも言えるだろう。打撃を見ても好調ぶりがうかがえる。OPSはリーグトップ。それを牽引しているのは、ここでも大谷だ。規定打席に達していないものの、打者としても開幕からコンスタントに出場してのOPS1.113は群を抜いている。ちなみに、レギュラー格で他にOPSが1を超える選手は、ヤクルトの山田(OPS=1.173)のみだ。「他にも、陽、レアード、そしてオープン戦でのケガから6月に復帰して絶好調の岡のOPSが1に近い数値です」(同) 不振に喘ぐ中田の復調次第では、超重量打線が完成するだろう。

 次にロッテ。こちらも投手力に抜群の安定感がある。投手陣のWHIP平均は1.269とソフトバンクに次ぐ2位。涌井、石川の2枚看板だけでなく、スタンリッジ、関谷、二木という先発陣が安定していることや、内、益田、南、西野のリリーフ陣が完璧に相手打線を抑えてくれることに加え、打っては、角中、デスパイネ、ナバーロ、鈴木という中軸が、0.8以上のOPSを維持しており、打線に切れ目がない。こうして見ると、日ハム、ロッテの2チームは、現在の「勢い」に乗じて「大どんでん返し」をする可能性が十分にあるだろう。

 そう言える理由は、指数以外にもある。それが後半戦の日程だ。「ソフトバンクと日ハムとの間には8ゲーム、ロッテとの間に11ゲームの直接対決が残されているんですが、このうち日ハム3回、ロッテ2回が、金・土・日の“週末3連戦”に組み込まれているんです」(同) 日ハムのローテーションから見ると、日曜日に大谷が登板する可能性が高いし、同様にロッテも、涌井の登板は週末に多い。もし首位とのゲーム差が縮まってくれば、両チームとも、ソフトバンクと相性のいい有原や石川を、ここで起用するはずだ。この直接対決の結果によっては、9月頃に“混パ”となる可能性も出てくる。まさに目が離せない状況と言えるのだ。

 次に、セ・リーグ。こちらは目下、1強5弱といったところだ。交流戦前後から「神がかり」的な快進撃を続けた広島は、気がつけば2位以下を10ゲームも突き放す独走状態。「今の広島は何をやってもうまくいく。1985年の阪神に匹敵する神がかり的な力があります。優勝するチーム特有の勢いがあるんです」(スポーツ紙デスク)

 先発にも、リリーフにもソツがなく、打線では、主砲のエルドレッドが戦線を離脱しても、若手が台頭して、すぐにその穴を埋める。その象徴が鈴木誠也だ。OPS=0.929は、エルの不在を補って余りある活躍ぶり。特に交流戦最終カード、オリックス戦での3試合連続決勝本塁打は、ファンの度肝を抜いた。「打線はつながるし、若手も勢いがある。足を使った攻撃にもソツがなく、チーム全体のムードもいい。今の広島に、ほぼ弱点は見当たりません」(前同)

 正直、セの残り5球団はすでに、「CS(クライマックスシリーズ)狙い」といったところだろう。実際に、2~6位は横一線。毎日順位が入れ替わるほどの大混戦ぶりなのだ。

 はてさて、CSに滑り込むのは、どこの球団なのか。チーム平均のWHIPとOPSを見る限り、巨人がややリードしているようにも見えるが、こんな見方も。「この指数の特徴は、出場機会の少ない選手の数値が良くなるケースが多々、見受けられる。そこがこの指数の盲点なんです。巨人の場合、今シーズンは、立岡、片岡、クルーズ、小林など、故障離脱者が相次ぎ、代わりに上がってきた橋本到、實松、阿部のような出場機会の少ない選手の数字が平均値を上げてしまっている傾向が見られます」(前出のベテラン記者)

 確かに、シーズンを通して出場する選手を見ると、菅野(WHIP=0.95)と坂本(OPS=0.994)が抜群に良いだけで、他の選手は微妙な数値。それを考えると、スタメンが定着していて、巨人と同等の数字を叩き出しているDeNAと中日のほうが勝ち抜ける確率が高いと、本誌は予想する。DeNAは、ここ数年、「打高投低」で、「投手力さえ整えば」と言われ続けてきたチーム。だが、今年に限っては、投手力が素晴らしい。特に、石田(WHIP=1.09)と、今永(同1.05)の成績は見事だ。「現在、今永のほうは調子を崩して二軍調整中ですが、オールスター明けには一軍復帰の見通しです。彼の復調次第では、広島以上の先発ローテが組める」(前出のスポーツ紙デスク)

 この2人だけでなく、山口(WHIP=1.23)、井納(同1.18)、久保康(同1.12)ら、他の先発陣も好調。さらに、守護神・山﨑康らリリーフ陣の平均WHIPは、広島のそれと、ほぼ同じ数値だ。そして、そんな投手陣に助けてもらってきた打線も、ここにきて、ようやくつながるようになってきた。これを象徴するのが7月2日の対広島戦。主砲・筒香(OPS=0.999)の同点弾が飛び出し、その後、桑原のタイムリーで勝ち越し。エリアン、梶谷の連続適時打でさらに追加点という理想的な展開だった。「宮崎(同0.878)、倉本(同0.709)といった若手の台頭もうれしいニュース。さらに、ロペス(同0.813)が左足親指の骨折から1か月で復帰しましたから、現在のDeNAは、一番勢いのあるチームと言えます」(前同)

 次は中日。こちらは反対に、打線の安定感が持ち味だ。平田(OPS=0.907)、ビシエド(同0.874)、ナニータ(同0.771)のクリーンアップに、福田(同0.870)の台頭で、切れ目のない打線が完成した。唯一の不安材料だったビシエドのスランプも、7月には復調の兆しが見え、後半戦への好材料と言えるだろう。

 一方、ヤクルトと阪神はどうか?「どちらも投手陣に不安があります。特にヤクルトのWHIPは格段に悪い。打撃の数値は他球団に引けを取りませんが、ヤクルトは山田が一人で平均値を上げているだけで、打線がつながっていないんです。阪神もメンバーが固定せず、打線のつながりがないのが痛い」(ベテラン記者)

 この状況では、どちらもAクラスに食い込むのは難しいかもしれない。以上のことから、仮に広島、DeNA、中日がCSに進出した際の短期決戦の行方も占ってみたい。「CS慣れしていない広島は不利になる可能性もありますね。ファーストステージで勢いをつけたDeNAが若さで突っ走ることや、CS常連だった落合時代を知るベテランコーチ陣の多い中日が巧みに勝ち抜くことも、十分考えられます」(スポーツ紙デスク) 両リーグとも今のままでは終わらない。「大混戦」や「下克上」がきっと起こるペナントレース後半戦が楽しみだ。

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