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“夜のお店”も領収書でOK!?「超経費活用術」節税のススメ

[ヴィーナス2016年08月04日号]

“夜のお店”も領収書でOK!?「超経費活用術」節税のススメ

 舛添要一東京都知事の政治資金私的流用疑惑で注目を浴びた「経費」。家族旅行の宿泊費も経費で落とすとなれば、羨ましい限りだが、最近はサラリーマンにも経費が落とせる特定支出控除や、ふるさと納税、確定拠出年金と、節税方法が充実し始めているという。

●利用者急増、スーツ代や接待費も認められる特定支出控除

「特定支出控除とは、サラリーマンが「(仕事をするうえで)通常必要」と認められた金額のうち、「給与所得控除額の2分の1」を超えると、その分が所得の控除の対象となる、というもの。翌年に確定申告すると、納めた所得税の一部が還付されます(戻ってくる)」(税理士)

 たとえば、年収が300万円で、特定支出が70万円のサラリーマンの場合であれば、年収300万円の給与所得控除額は、300万円×30%+18万円=108万円。その2分の1は54万円。したがって特定支出控除は「70万円-54万円=16万円」、16万円まで控除できるという計算だ。「この特定支出控除として認められるのは、サラリーマンの、いわゆる必要経費になります」(前同)

 次の【1】~【8】が該当するという。【1】通勤のための交通費(通勤費)、【2】転勤に伴う引っ越し代(転居費)、【3】仕事で必要な技術を得るための研修の費用(研修費)、【4】仕事に必要な資格取得のための費用(資格取得費)、【5】単身赴任で勤務地から自宅へ帰宅するまでの交通費(帰宅旅費)、【6】仕事で必要な書籍や定期刊行物のための費用(図書費)、【7】仕事で必要な衣服の購入費用(衣服費)、【8】得意先に対する接待や贈答などの費用(交際費等)だ(【6】~【8】については、年間65万円が上限)。「ただし、会社から通勤定期や制服、引っ越し代などが支給されていれば、自分が支出したことにはならないため、特定支出控除になりません」(同)

 経理部員ならば財務諸表を理解するための書籍、販売業ならば外国語を学んだ際のレッスン代、営業マンなら、商談で取引先に出向く際のスーツは仕事をするうえで「必要経費」。発注先をゴルフで接待、料亭などでもてなすのに、飲食代は「必要経費」。そのあとの2次会の夜のお店代まで「必要経費」になるのではないか!?

 だが、特定支出控除を受けるには、いくつかの条件があるという。ファイナンシャルプランナーの藤原久敏氏が、こう解説する。

「まず確定申告の際に、領収書の添付は必須です。さらに会社から『(仕事で)通常必要』という証明書を、発行してもらわなければならないという高いハードルがあります。しかし、この制度はすでに12年度の改正(13年より適用)によって、対象とされる範囲と金額が拡大。13年に支出した分は、14年から申告が可能になっていて、利用者は1年目の13年度が約1600人、2年目の14年度は約2000人と利用者が急増しています」 まずは夜のお店代の領収書を「(仕事で)通常必要」という証明書を発行するように会社にお願いできる度胸を持てるかだ。

●7割相当が特典としてバックされる『ふるさと納税』

 ふるさと納税とは、都道府県や市町村に寄附をすると、寄附した金額のうち2000円を超える分が、所得税と住民税から差し引かれる制度だ。「自らの出身地にこだわる必要はなく、自分が応援したい自治体でもOK。ただし、控除を受けるためには、原則として寄附した翌年、領収書を添付して確定申告することが条件になる。また、控除される寄附の金額には、年収に応じて上限があります」(前出の税理士)

 たとえば年収300万円なら、2万8000円が上限で、それを超えた分の寄附は対象外だ(ただし、家族構成などで変動があり、総務省のポータルサイトなどで確認が必要)。ふるさと納税は寄附をすれば、自治体から特典が得られるので注目が集まっている。

「牛肉の場合、1万円の寄附では相場は“1キロ”。佐賀県上峰町では『九州産黒毛和牛【チルド】切り落とし1000g』、福岡県久留米市は『九州産黒毛和牛切り落とし1キロ』、大阪府泉佐野市は『はや泉州の郷 黒毛和牛切落しドカ盛1キロ』などがあります」(マネー雑誌記者)

 限度額いっぱいの2万8000円を、ある自治体に寄附するとしよう。寄附をすると、自分が納めた所得税と住民税のうち、2万6000円が控除される。差し引き2000円が、いわば“自腹”。 その一方、寄附をした自治体から、1万円相当のコメが送られてきたとする。つまり、実質2000円で、1万円分のコメを手に入れた計算になる、というわけだ。

「だいたい特典は、寄附金額の3~4割相当です。7割相当の水やコメもありますが、人気が集まるのは地域の特産品の詰め合わせセットです。注意したいのは、旬や人気の特典は品切れや生産が遅れがちになること。寄附をした人の多くが得をしている状況ですが、総務省が特典のエスカレートぶりに苦言を呈しているので、利用するなら今のうちでしょうか。熊本への災害支援名目でも、ふるさと納税が可能です」(前出の藤原氏)

 メロン王国の熊本ならではの『くまもとのメロン(アールスメロン/1~2玉入り)』も1万円の寄附で可能だが、5月末まで申し込み限定で、すでに品切れ状態。地方自治体は、寄附で集まる金額に対して、子育てや医療・福祉、防災対策など、その使い道を公表している。総務省によると、ふるさと納税は2014年度実績(47都道府県合計)で、適用者は約44万人、寄附金額はおよそ341億円だ。

●利回り15%の隠れた税優遇『個人型確定拠出年金』

「隠れた税優遇」といわれるのが、個人型確定拠出年金だ。個人型確定拠出年金は、個人が自ら金融機関に口座を開設し、掛け金を積み立てて運用先を選び、運用結果次第で年金額が決まるという年金制度。「現在は企業年金のない会社員や自営業者しか加入できないが、5月24日の改正法成立で来年から公務員や主婦などに広がり、原則的にすべての現役世代が対象に」(全国紙経済部記者)

 節税効果が非常に大きく、「隠れた投資優遇税制」と呼ばれてきた制度だ。個人型確定拠出年金の「所得控除」は、「所得」から自分が積み立てた掛け金の全額を引くことができるもので、その節税効果は、たとえば最低税率15%(所得税5%、住民税10%)ならば、10万円を掛け金とした場合、掛け金全額が控除される。このため、10万円の15%、1万5000円が節税できる。つまり、利回りが15%の投資商品と同じ計算になり、お得なのだ。

 もし、自営業であれば積み立てられる金額の上限は年間81万6000円(サラリーマンが掛けられる上限は27万6000円)、戻ってくる税金の額は、なんと年間12万2400円(掛け金合計が81万6000円の場合)、30年間なら367万2000円なのだ。しかも、運用期間中の運用益も非課税で、原則60歳からの受け取り開始後も優遇税制が適用される。

「ただし、個人型確定拠出年金においては、金融機関の口座管理手数料が高く、運用先の投資信託の信託報酬も割高なものもあります。金融機関の違いによる総コスト差は、たとえば30年加入で数百万円になりかねません。現在、口座管理手数料が低いのはSBI証券やスルガ銀行です。個人型確定拠出年金で運用できる金融商品のコストが安いというのは、投資家の側からすれば大きなメリットですが、金融機関側から言えば、あまりうまみがなかったんです」(前出の藤原氏)

 では、選択の幅が限られてしまっているのかと思いきや、藤原氏が続ける。「これまでは、あまり宣伝されていませんでしたが、原則的にすべての現役世代が対象になるとあって、今後は注目が集まります。マイナス金利時代で運用先に迷うかもしれませんが、定期預金など元本確保型の運用先から始めたらどうでしょうか」

 来年を見据えて金融機関も個人型確定拠出年金の品揃えを強化すると思われる。節税の一つの手法として、じっくり検討したい。

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