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小池百合子都知事VS橋下徹元大阪市長「豊洲移転バトル」の奇々怪々 

[週刊大衆2017年04月24日号]

小池百合子都知事VS橋下徹元大阪市長「豊洲移転バトル」の奇々怪々 

「歯に衣着せぬこと」が改革者の条件であろうが、そんな両者が面と向かえば、流血必至――稀代のリーダーが激突!!

 “都議会のドン”内田茂氏、石原慎太郎元都知事と、“伏魔殿”に潜む妖怪たちをナギ倒しまくる女傑・小池百合子東京都知事。天下分け目の天王山、きたる東京都議選(6月23日告示・7月2日投開票)の下馬評も、“大勝利”との声が聞こえてくる。「小池氏率いる『都民ファーストの会』が50議席をうかがい、連携する公明党と合わせて、過半数の64を超えるという予測もあります」(全国紙政治部記者)

 支持率も79%(産経新聞社・FNN)と高水準をキープ中で、依然、絶好調に見える小池氏。しかし、政治評論家の有馬晴海氏は悲観的な見方を隠さない。「かつて8割以上の支持率だったことを考えると、10ポイント下落したと考えるべきでしょう」

 小池氏に“死角”ありと言うのだ。これを好機と捉えたのか、“抵抗勢力”は全力で逆風を吹かせ始めた。都議会自民党は、小池知事に早期の豊洲市場移転を求め、「豊洲問題を(7月の都議選の)公約に盛り込む」と宣言。豊洲移転か築地存置か、白黒ハッキリつけるべしと詰め寄ったのだ。

「自民党は、“豊洲問題で何もしない小池知事”というイメージを、都民に植えつける戦術に出る考えです。事実、都民ファーストの会、自民党ともに、次の都議選で40議席ずつ確保するというシビアな選挙予測もあります」(前同)

 きたる“初夏の陣”の争点は、この豊洲問題になりそうな雲行きだ。「このまま築地市場で営業を続行すれば、業者への追加補償を含めた年間コストが100億円以上かかってきます。移転か存置かを早く決めれば、その分、コストを削減できるんですがね」(全国紙都庁担当記者)

 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏も、「豊洲問題の取り扱いが、都議選の結果に大きく影響しそうです」と言う通り、豊洲が“取り扱い注意”案件となる中で、小池氏に“特攻”をカマした御仁が登場。場外バトルの口火を切ったのは誰であろう、日本維新の会法律顧問で前大阪市長の橋下徹氏だ。

<地下水は飲むわけではないのでベンゼンが環境基準の100倍であっても問題ない>とツイッターで発信。要は、“豊洲は大丈夫では? 築地から移転すべし!”との持論をまくし立てたのだ。「理路整然と話しながらも毒気のある橋下氏の発言には、今も耳目が集まります。氏のツイッターのフォロワーは、180万人以上。テレビの深夜番組より、ずっと影響力があり、永田町でも注目されています」(前出政治部記者)

 政界の“台風の目”が、小池氏の「豊洲移転ストップ」に牙をムキ出しにしたのだ。いわく、<地下水に環境基準を適用させる必要もない>と、“地下水は、生鮮食品には関係ない”とするそもそも論をブチ上げ、<小池さんは総合的に判断するとしか言わない。それはダメだ。どうなれば移転して、どうなれば移転中止にするのかの基準を早く定立すべき>

 弁護士ならではの口ぶりで、政治家特有のあやふやな言い回しをブッタ切り、<外部顧問チームの意見だけで移転延期判断をやった小池さんの意思決定こそ100条委員会で追及すべきテーマだ> 石原慎太郎氏と同様、都のトップとしての責任を問われるべきだと断言した。

 加えて、橋下氏の古巣・日本維新の会は「豊洲・築地問題合同調査チーム」を発足。「老朽化した築地市場の豊洲移転こそ“都民ファースト”」との提言を東京都に突きつけ、“反小池”の急先鋒となった。

「ここ100日ほどで、風向きが変わってきたんですよ」と言うのは、ベテラン政治記者。「昨年夏、小池さんが都知事に就任した後、河村たかし(名古屋市長)、渡辺喜美(日本維新の会副代表)らの間で、東京・名古屋・大阪の“三都連合”を結成する動きがあったんです。その時点では、橋下氏と小池氏は良好な関係でした」

 ただ、蜜月はさほど続かず、昨年末からは関係が急速に冷え込んだという。小池知事が、「(橋下氏には)大阪で改革に取り組まれた実績があり、ぶっちゃけ、そのへんの話を伺いたい」と、自身の政治塾『希望の塾』の講師に、橋下氏を招こうとした折のことだ。

「橋下氏は、正式に小池氏サイドへ返答する前に、ツイッターで<こんなややこしい仕事はやらない方がいい>と言ってしまった。それを耳にした小池知事がカチンときて、事務方に確認した結果、ご破算になったという話です」(在阪記者)

 “場外バトル”は連鎖を生む。これに加えて、日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事が、「民間人の彼(橋下氏)を便利使いしようとするのは間違っている。あまりにも考え方が“事務方ファースト”だ」と大マジに批判。ちょっとしたすれ違いに見えるが、ここまで悪しざまに言うのにも理由がある。前出の政治部記者が言う。

「3月末、松井代表が大阪から東京へ乗り込み、日本維新の会の党大会を都内のホテルで開いたのは、明らかに小池氏を意識した動き。小池氏の『都民ファーストの会』はあくまで地域政党ですが、そこを母体に、小池氏が国政へ進出するのは必至です」

 なぜ、“小池新党”を意識するのか。「健全な第三極を謳ってきた日本維新の会そのものが、小池新党のあおりで埋没する可能性が生じるからです」(前出の鈴木氏)

 出てくる芽を摘みたい、との狙いだけではない。「当然、今度の都議選で“反小池”路線を打ち出して、全面戦争の様相を呈している自民党・菅義偉官房長官への目配せもあるでしょう。安倍晋三首相は、小池の言動にも理解があるとみられてきましたが、近頃はそうでもない、という話も聞こえてきています」(自民党関係者)

 結託を強くする、維新=自民の反小池連合。「橋下氏が豊洲移転の遅れを批判するのも、少なからず、そこには維新の会を援護しようという意思があると見ていいでしょう」(前出の有馬氏)

 加えて、小池都政を支えるべく、都政改革本部の特別顧問を務める上山信一慶応大学教授の存在もある。「彼は、大阪市特別顧問も兼任している。いわば、橋下氏の元ブレーンで、今も2人は頻繁に連絡を取り合っているようです。しかも、上山氏は豊洲移転推進派の一人。小池知事から見れば、橋下氏が同じ考えの上山氏を利用して、都庁の内部を豊洲移転に誘導しているように映るはず」(都庁関係者)

 というのも、「小池知事が豊洲市場への移転を即座に決められないのは、都庁内が“豊洲移転派”“築地存置派”に二分されているからです」(前同)

 分裂は、ここでも起きていた。“豊洲派”の代表が上山氏、“築地派”の急先鋒が「市場問題プロジェクトチーム」(PT)座長の小島敏郎青山学院大教授で、両者の勢力は拮抗。「小島氏は3月末、築地を移転せず、現地で改修する案を発表。工事費500~800億円をかけ、築地市場を営業しながら、できるところから改修工事を行おうという計画です」(同)

 小池知事もこの提案を受け、「東京駅(復元工事)などのように営業しながら徐々に変えていった例がある」と、“築地存置案”に賛同したかに見えたが、「これに、都庁内の豊洲派が猛反発。築地市場の建物のうち、発がん性物質のアスベストを使っている部分が、全体の約16%も残っているからです。改修工事の際に、アスベストが飛散する恐れがあります」(前出のベテラン政治記者)

 豊洲の地下には基準値の100倍のベンゼンがあり、築地の建物には発がん性物質のアスベストが残る。そう簡単に割り切った結論が出せるはずもないが、決断が遅れれば、優柔不断な知事というレッテルを貼りたい反小池勢の思うツボだ。

「こういう情勢だからこそ、知事は、橋下氏が“場外”からアレコレ発言することに、ピリピリしているようです」(前同)

 しかも、豊洲移転か築地存置かの選択は、都議選の結果に直結する。どちらを選んでもイバラの道だ。そんな中、「小池知事が、移転の可否を住民投票に求めるという憶測が流れています。しかし、都民の意見が移転に“賛成”“反対”で分かれる現状では、判断を都民へ丸投げするというマイナスイメージを抱かれかねません。住民投票の実施は、小池知事にとってギャンブルです」(前出の都庁担当記者)

 まさに、今が正念場だが、ここで終わる小池氏ではない。選挙戦に明るいジャーナリストの宇田川敬介氏が、こう続ける。

「小池知事は、自身の政治塾『希望の塾』の塾生に、政策などの論文を書かせまくっています。その案の中から、優れたものを採用しようという考えです。これは、かつて小沢一郎氏(現・自由党代表)が、自身の政治塾で塾生から妙案を吸い上げていた手法と同じです。あのときは、この手法で“事業仕分け(行政刷新会議)”の案が出てきました。今回も、なんらかの“ウルトラC”が誕生しても、おかしくありません」

 奇々怪々の“場外バトル”が勃発する中、小池知事の次の一手は……!?

小池百合子都知事VS橋下徹元大阪市長「豊洲移転バトル」の奇々怪々 

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