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プロ野球、異例の「コーチ大移動」の裏側

[週刊大衆2017年12月18日号]

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プロ野球、異例の「コーチ大移動」の裏側

 今季、抜群の強さでペナント奪取に成功した常勝軍団に“黄信号”が灯る非常事態。水面下で、いったい何が!?

■優勝チームのコーチ入れ替えは異例

 このほど発表された2018年度のプロ野球12球団のコーチ人事。各球団の陣容を眺めてみると、異例とも言える変動が起きているのが見て取れる。「両リーグの優勝チームが、大幅にコーチを入れ替えているんです。ソフトバンクで3人、広島で2人の一軍コーチがチームを去って、他球団に移っています。コーチ陣を替えるときというのは、不振からの脱却を図るためにチームの方針を転換させるとき。だから通常、優勝したチームがスタッフを替えることは、ほとんどありませんよ」(スポーツ紙記者)

 ソフトバンク、広島だけではなく、各球団とも、移籍や配置転換のオンパレードだ。なぜ、このような現象が起きたのか。その理由はそれぞれのチーム事情にあるようだ。「“決裂”だよ。監督の方針と合わずに“排除”されたり、その逆で、コーチのほうから監督に愛想を尽かして出て行ったり……。まあ皆、人間だからね。そういうこともあるさ。普通の会社と一緒だよ」(事情通)

■ソフトバンクから楽天に移籍した佐藤義則投手コーチ

 その典型が、ソフトバンクから退団して楽天に移籍した佐藤義則投手コーチ。「工藤監督とはソリが合わなかったみたいだよ。まあ、佐藤コーチは相当な自信家だから。投手起用に一家言持つ工藤監督とは、何度も衝突していた」(前同)

 象徴的な出来事が、15年のバンデンハークの一軍昇格問題だ。「ファームの試合も自らチェックしていた工藤監督が“上げろ”と言っていたのに、佐藤コーチは“まだ、その時期じゃない”と首を縦に振らなかった。最終的に監督命令でバンデンハークは一軍に昇格して、9勝0敗の好成績。優勝の原動力となったんだ」(同)

●ダルビッシュ有、田中将大を育てた手腕

 日本ハムではダルビッシュ、楽天では田中将大を育てたという自負のある佐藤コーチにとっては、いたたまれない思いだったはずだ。そうした事情を察したのか、佐藤コーチにオファーを出したのが、星野仙一楽天副会長だった。今年3位の楽天だが、優勝を狙うには、則本に次ぐ若手投手の底上げが急務。そこで育成に定評のある彼に声をかけたというわけだ。「仙さん(星野氏)は佐藤コーチに全幅の信頼を置いているからね。楽天監督時代も“投手のことは全部、ヨシ(佐藤氏)に任せる”って言っていた。そもそも佐藤コーチが楽天を辞めたのも、デーブ(大久保博元・前監督)と合わなかったから。皆にとって良かったんじゃないのかな」(同)

■巨人の尾花高夫コーチが配置転換

 他にも、阪神・金本知憲監督と若手の育成方法で対立し、若返りを理由に二軍監督の座を追われた掛布雅之氏は、同じ「決裂」のケースと言えるだろう。そして、巨人のこの人も……。「今季の中盤にチーフの投手コーチからブルペン担当に“降格”させられた尾花高夫コーチが編成本部アドバイザーに配置転換しています。でも、実はこれ、肩書きだけの役職なんです。要は、コーチをクビってこと」(スポーツ紙デスク)

 しかし、尾花氏は名コーチとして名を馳せた人物。他球団に移籍してもよさそうなものだが……。「オファーがあったら、編成本部アドバイザーにはならないでしょ。つまり、他球団からも見限られたってことじゃないですか。まあ、昨年の実績を見たら、仕方ないですよ」(前同)

■ヤクルトは広島カープの石井琢朗と河田雄祐を引き抜き

 コーチの大移動には、これまで見てきたような、チームの体制と合う、合わないという事情とは正反対の理由が存在する場合もある。「監督が交代して新体制を作る際に、その手腕を買われて引き抜かれるケースです。広島から出る2人のコーチは、その一例と言える」(同)

 広島の打撃コーチだった石井琢朗氏と、外野守備走塁コーチだった河田雄祐氏は、任期満了でチームを退団。来季からはヤクルトに移籍することとなった。「とにかくバットを振らせて鍛えた石井さんや、機動力を支えた河田さんは、今の強い広島の屋台骨を作った功労者ですからね」(同)

 この2人に白羽の矢を立てたのは、ヤクルトのヘッドコーチに就任した宮本慎也氏だといわれている。「ヤクルトの人事権は、小川淳司新監督ではなく、次期監督と目される宮本慎也新ヘッドコーチが握っているからね」(前出の事情通)

 評論家としてネット裏から各チームを見ていた宮本ヘッドは、広島の強さの原動力が河田、石井の2人であると見抜き、オファーを出したというのだ。「実は2人とも、単身赴任で広島に来ていた。円満退団とは聞いているけど、内心は東京に帰りたかったんじゃないかな。だから、契約切れのタイミングを狙って、宮本が声をかけたんじゃないか」(前同)

■井口資仁新監督を迎えたロッテも…

 コーチ陣が大幅に入れ替わったのは、井口資仁新監督を迎えたロッテも同様。井口監督は意思疎通を図りやすくするために、スタッフを自分の人脈で固めた。ソフトバンクの一軍で内野守備走塁コーチとして手腕を発揮していた鳥越裕介ヘッド兼内野守備走塁コーチや、日本ハムの二軍でバッテリーコーチを務めていた的場直樹戦略兼バッテリーコーチは、もともとは井口監督のダイエー時代のチームメイトだ。他にも、「バッテリーコーチの清水将海氏は青学大の同級生で、二軍監督の今岡真訪氏は同じ東都リーグで戦った仲。ちなみに、1996年のドラフト1位は、ダイエーが井口、ロッテが清水、阪神が今岡と皆、同期入団なんです」(前出のデスク)

 “お友達内閣”といわれてしまえばそれまでだが、結束は固そうだ。ちなみに、清水、今岡の両氏も、それぞれソフトバンクと阪神からの移籍組。請われて新体制に移ったコーチである。

■ムードが変われば大躍進も!?

 さて、来季の主なコーチ人事を見てきたが、その陣容を見れば、おぼろげながら、来季の展望が見えてくる。大まかに言えば、優勝チームから大量に流出して、最下位チームに大きなテコ入れがされたわけだが、これによって、2018シーズンの勢力図は、はたして変わるのだろうか。「確かに、コーチ陣の変動はチーム力に大きな影響を与えますが、来季に、いきなり順位が大きく変わるということは考えづらい。いいコーチが流出しても、ソフトバンクと広島の選手層は分厚いままですし、ロッテとヤクルトの駒不足も変わりませんからね」(ベテラン野球記者)

 しかし、一概にそうと言い切れないのがプロ野球である。中には、こんな声も。「チームの雰囲気が変わることで勢いがつくことも考えられます。そういった意味で、今年のロッテはムードが悪かったですからね。今季まで選手として在籍していた井口監督は、それを熟知しているはずですし、選手たちからの人望も厚かった。その彼が気心の知れた仲間を迎えた新体制では、ガラッと雰囲気が変わるでしょう。今季も、エース・石川歩の乱調さえなければ、こんな順位じゃなかったはずですから、来季は分かりませんよ」(前出のデスク)

 また、来季はまだでも、数年後となれば話は別。「ヤクルトがチームの底上げに力を入れようとしているのは、明らか。宮本ヘッドが守備の鬼であるのに加えて、攻と走における広島野球の心臓部を手に入れたわけです。投に関しても、今季は巨人でブルペン担当を淡々とこなした田畑一也投手コーチを迎えていますから、いずれ変化は見えてくるんじゃないか」(前出のベテラン記者)

■巨人の二軍の陣容は12球団一

 その傾向は、実は巨人にも見られる。「尾花氏を放出したわりには、今季の不振のA級戦犯とも言える村田真一ヘッドは留任したり、古株の吉村禎章氏が入閣したりと、迷走ぶりがうかがえますが、二軍に関して言えば、川相昌弘氏を三軍監督から昇格させて、新たに小谷正勝、内田順三の両コーチを迎え入れるなど、育成に定評のあるコーチで固めているんです。二軍の陣容は12球団一と言える」(前同)

■阪神タイガースは掛布雅之の穴が大きい

 その反対なのが、阪神だ。「何しろ、育成のプロだった掛布氏の穴は大きい。代わりに二軍監督となるのが矢野燿大コーチなんですが、彼は金本監督の懐刀でしたから、金本監督は参謀を失うことになる」(同)

 この“大移動”が、来季以降のプロ野球をどう変えるのか、まずは各コーチたちのお手並み拝見といったところだろう。

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