■治安や行政サービスが充実している国

「また、お金ではなく日常生活のメリット、デメリットについても、与沢さんは解説していました。宗教や風習は、お金では解決できませんからありがたいですね」

 まず、治安に関しては「都市がキレイ。安全。スマートシティって言うんですかね。それが整備されている」「行政サービスがIT化されているのが非常に便利」「アプリでガソリン運んでくるとか、ウォッシュマンが洗濯回収して翌日届けるとか」とのこと。与沢氏がこれまで訪れた日本、シンガポール、タイ、マレーシア、フィリピンなどと比較しても圧倒的に便利だという。

 また、富裕層向けのサービスも「世界最大」「旅行客がドバイで使う金が世界で旅行の支出のナンバー1」「ラグジュアリー品で見つからないものがない」ということだ。

「車はフェラーリやランボルギーニ、カバンはルイヴィトンなどブランド品がいくらでもあって、しかも関税がないため日本に比べると安く買えるといいます。ただし、現在は円安のため“円”ではなく“現地通貨”でないと、かなり高くつくそうです」

■もちろんデメリットもある

 一方のデメリットとしては、もともとイスラム圏のため「お酒が異様に高い」ということ。そして住居生活インフラなどが安定している代わりに「食が異様に高い」「とにかくえらい水に苦労している国(だから高い)」ということ。

 そして、国民性については「ガサツ」「ちょっとイライラする局面は多いかもしれない」という悩みがあるそうだ。

「東谷さんは下戸でお酒を飲まないので、そういう意味でもドバイは水が合っていたのかもしれませんね。ただ、今回の与沢さんの話を聞いていると、子どもや庶民的なくつろぎに関しては向いていない国でもあるかもしれません」

 与沢氏によると「商店街みたいなところがあって、小っちゃいところで楽しい」という感じの場所がなく、「子どもにとっての駄菓子屋さん」や、「女性に対しての表参道」のような場所が存在せず、車やレッドカーペット、高級ホテル尽くしの生活のため「何をやるにも疲れてしまう」「ラグジュアリーすぎて疲れる」という欠点があるとのことだ。

「そのほか、ドバイ在住の日本人に聞いた話では、“砂漠気候のため夏は暑いが自然災害がほとんどない”ということや、全体的に妊婦や子連れに優しく、男性も育児休暇はもちろん子供の都合で早退や欠勤も珍しくないことなどがメリット。

 逆に、イスラム圏なので“未婚のカップル”が楽しめるスポットが少なかったり、うっかり王族批判や政府批判をすると拘留や逮捕につながる恐れがある、という部分がデメリットだといいますね。

 そしてなにより、ドバイは無税。所得税がないんです。つまり、働いて得た報酬の額面すべてが収入になる。これは収入が多い人にとっては最大のメリットではないでしょうか」

 今後も、ドバイに渡る著名人は増えていくのか。注目したい。

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