■『エルピス』悪役・大門副総理は「得な役」

――『エルピス』では、大門副総理という悪役でしたが、いち視聴者としても、出演していなくても大門の存在が作品全体に影を落としているような印象がありました。

 名前ばっかり言われるから、それは得な役なんですけどね(笑)。出番が少なくても、ずっと出てるみたいに思われますよね。

山路和弘さん

ーー2023年1月からは舞台『時をちぎれ』に主演されることが決まっているそうですが、今回は善人ですか、悪人ですか?

 1月20日から劇団青年座第250回公演『時をちぎれ』、池袋の東京芸術劇場で公演します。

 脚本家の土田英生さんならではの軽快な話です。サプリメントを扱う会社の社長が将軍って呼ばれていて、その人が室町時代マニアなんです。室町幕府のシステムをそのまま持ってきて、社内には公方、侍所、問注所というセクションがあるちょっと変わった会社の社長です。

 悪役なのか、善人なのかはご覧いただいて。ポスターでは悪そうな顔してるんですけど、元々の顔だからしょうがないですね。以前、磯部勉さん(※)が“ものすごく悪そうな顔してる”って、人に突っ込まれていたことがあって。磯部さんは、“いやいや、俺だって、昔はこんな顔してなかったんだよ、悪役ばっかやってるとこういう顔になるんだよ。お前もわかるよな、山路!”って言われたことがありまして……。これ、もう顔自体がしゃあないですよ。

※磯部勉さん=俳優。NHK大河ドラマ『篤姫』、『軍師官兵衛』などに出演。声優、ナレーターとしても活躍しており、ハリソン・フォードやブルース・ウィリス、メル・ギブソンなど多数の洋画の吹替を担当。

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