■葬式やお墓を…再就職も

 また、多くのシニアが年齢を重ねるにつれ、気になるのが“お別れの仕方”。特に葬式代は全国平均が121万円といわれるから、安心して、あの世に旅立てないと思う人もいるだろう。

「お通夜なしの一日葬なら30万円。もっとシンプルにすると10万円でもできます。お墓も、合同墓なら永代供養料が10万円からあります」(葬儀アドバイザー)

 残り50万円は、いざというときの備え。また、それだけあれば、「買う」もクリア。もっと、自由に使えるお金が欲しいという人には、勤め上げた会社に再就職するのがオススメだ。

■定年後に幸福度を高める秘訣

 とはいえ、森永氏が前述したように、イヤイヤ働くのは言語道断だ。ヒントになるのが、長尾氏が指摘する定年後の幸福度を高めるための“4つの捨てる”だ。

「(1)お金の心配を捨てる、(2)“家族のため”“会社のため”を捨てる、(3)肩書を捨てる、(4)人間関係を捨てる、です。『リクルートワークス研究所』の調査では、60歳以上の年代で仕事の幸福度が増していることが分かっています。おそらく、4つのものを捨てられているからでしょう」(前出の長尾氏)

 すべては自分のため老後だからこそ、人生を謳歌しようではありませんか。

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