■お笑いBIG3との違い
「とんねるずの番組はダウンタウンや“BIG3”のように司会メインではなく、常に企画ありき。彼ら自身が面白いと思うことを伸び伸びとやるのが魅力でした。それが、社会の価値観の変化により、彼らのやりたいことがやりにくい時代になっていたと思います」
テレビに出る芸能人は、時代に合わせ、芸風の変化が求められる。それは、芸人であっても同様だ。
“男気じゃんけん”が象徴的だが
「彼らの芸風は当時から“部室芸”と称されていた。つまり“内輪の笑い”に周囲を巻き込むスタイルを指した言葉です。番組スタッフと組んだ音楽ユニット『野猿』や、高額商品を勝った人が買う“男気じゃんけん”が象徴的だが、近年では、そのノリに嫌悪感を覚える人も多いはずです」(カルチャー誌編集者)
結果として、“ファンの新陳代謝”を起こせなかったことが痛手だったようだ。
「メディアの状況も変わり、彼らのコアファンだった層がゴールデンタイムの視聴者層ではなくなったのも大きい」(前出の西条氏)
■無理にテレビにこだわる必要はない
それでも、木梨はアート活動の展覧会などで多くの来場者を集め、石橋は新たな“部室”ユーチューブで、登録者数160万人超という大きな支持を得ている。
「彼らも好きなことをできないなら、無理にテレビにこだわる必要がないんでしょう。実際、現在の2人の活動は年齢相応の自然体が魅力です」(前同)
還暦を過ぎた今、とんねるずが生み出す新たな笑いに期待したい。