■静粛性と機動力が高く「水中の忍者」
「日本が保有するのは通常型のみですから、『沈黙の艦隊』のように通常型で原潜に立ち向かうシチュエーションは現実世界でも十分にありえます。
しかも、日本の通常型潜水艦の単艦性能は極めて優れていて、原潜にも引けを取りません」
2022年に就役した最新鋭の『たいげい』は、その好例だという。
「水中の静粛性と機動力が高く、相手に気付かれずに攻撃することができる。まるで、水中の忍者ですよ。
また、潜水艦は単艦行動が多く、複数艦でチームを組んで行動することはまずありません。水中の潜水艦1対1の戦闘なら、『たいげい』が原潜に勝つ可能性は十分にあります」(前同)
■リムパックで5隻を沈めた腕前
さらに、前述した海江田、深町両艦長の神業的な操艦技術についても、現実味があるという。
海江田は「リムパック」(米軍主導の多国間共同軍事演習)で、アメリカ海軍の空母5隻を沈めた腕前を持つという設定だが、
「実際のリムパックでも、海上自衛隊がアメリカの空母を撃没させています」(菊池氏)
海上自衛隊の操艦技術の高さは、世界でも定評があるというわけだ。
■世界最強の軍隊と共同訓練
さらに、海上自衛隊の護衛艦の単艦性能の高さについて井上氏が、こう語る。
「単艦での戦力で見ると、世界でも指折り。装備もハイテクで、護衛艦の戦闘力は日米互角だと思います。
また、自衛隊は世界最強の国であるアメリカの軍隊と共同訓練をしています。いうなれば、世界チャンピオンの黒帯に指導を受けているようなもの。実戦経験はありませんが、兵士の練度は世界トップクラスと言ってもいいでしょう」