■原子力空母1隻の航空戦力はヨーロッパ中堅1か国分に匹敵

 とはいえ、艦艇や航空機、ミサイルの数といった絶対的な物量では、海上自衛隊は圧倒的に劣る。そのため、もし日米開戦となったら、

「アメリカの圧勝ですね」(前同)と付け加える。その最大の理由が、空母を含めた航空戦力だ。

「現在、日本は護衛艦『いずも』を改修して空母にしようとしています。確かに自衛隊にとっては大きな変化と言えますが、アメリカの原子力空母1隻の航空戦力は、ベルギーなどヨーロッパの中堅国1か国分の航空戦力に匹敵するといわれています。

 それを隻も保有する米海軍と比べると、搭載機数が少なく、『いずも』が完成しても日米の戦力差は埋められるものではありません」(前同)

■世界をリードしているレールガン

 だが、そんな日本が、今後のゲームチェンジャーとなりうる新兵器の開発で、現在、世界をリードしているという。

「『レールガン』といって、火薬ではなく、電気エネルギーで弾丸を発射する大砲です。アメリカは21年に研究を断念した一方、日本は23年に世界で初めて洋上発射試験を実施。実用化に向けて開発を進めています」(防衛省関係者)

 射程は200キロともいわれ、最新鋭のものなら東京から名古屋まで届くという。

「敵のミサイルから国土を守る切り札でもあり、自衛隊は35年に配備する予定です」(前同)

 もちろん、日米開戦を望むはずはないが、ドラマ『沈黙の艦隊』同様、海上自衛隊の知られざる強さが明らかになったことは確かだ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6