日本人選手の相次ぐ渡米で、「今年は大リーグもじっくり見たい」と考えている読者諸氏も多いはず。
そこで今回は、知るとより楽しめる大リーグの基礎知識を徹底レクチャー。
大谷翔平(29)に、山本由伸(25)まで加わった名門ロサンゼルス・ドジャースの歴史から、日本と異なる大リーグ独自のルールまでQ&A形式でお届けする。
なお、主な解説は本誌でもおなじみ、大リーグ評論家の福島良一氏と、データ分析の専門家、ジャパンベースボールデータ社の大南淳氏にお願いした。
Q.そもそもドジャースって、どんなチーム?
人気と実力を兼ね備えた大リーグ屈指の名門チームで、前身球団の設立は野球創成期の1884年。
ワールドシリーズ制覇7回、リーグ優勝24回は、40回でトップのニューヨーク・ヤンキースに次いで、ナショナル・リーグでは最多。昨季は383万人と、断トツの観客動員を誇る。
「初の黒人選手として知られるジャッキー・ロビンソらを擁した1950年代が最初の黄金期。55年にヤンキースを倒してワールドシリーズ初制覇。ニューヨーク・ブルックリンから現在のロサンゼルスへの本拠地移転は、その3年後のことでした」(福島氏)
Q.歴代の在籍日本人は大谷&山本で計11人。獲得に積極的なのは、なぜ?
98年の球団売却まで長年オーナーを務めた、ピーター・オマリー氏が大の親日家だったことが大きい。
日米の野球交流に尽力した故・アイク生原氏を会長補佐として起用したのも、そのオマリー氏だ。
日本人選手のパイオニア、“トルネード”野茂英雄の獲得も、オマリー氏だからこそできた英断だった。
「2016年から指揮を執るデーブ・ロバーツ監督も沖縄・那覇出身で、母親は日本人。日本との縁は今もチームの伝統です」(前同)
Q.中日のユニフォームが似ているのも関係が?
大谷移籍で“激似”と話題を集めた中日ドラゴンズのユニフォームは、故・星野仙一氏が1987年の監督就任時に、かねて親交のあったオマリー氏本人の了承を得て導入したもの。
ちなみに、50歳まで現役を続けた大エース・山本昌の開花は、前出の生原氏と邂逅したドジャースへの野球留学がきっかけ。
星野中日が“お払い箱”にした直後に近鉄で覚醒したラルフ・ブライアントも、元はドジャース傘下のマイナー球団で燻くすぶっていた若手選手の一人だった。