「第二次冷戦を生みかねない」

一方では、プーチン氏との面会をオバマ氏が警戒。

「プーチンと会えば西欧の不興も買う。体(てい)よくプーチンの来日を阻止したい。この時に解散へ打って出ていれば、安倍首相は"またの機会に"と断る口実になる」(自民党番記者)

今は、会わなくて済むなら会いたくない――それが正直な本音というのだ。

前出の小関氏が続ける。

「プーチン大統領は、現在の先進国首脳の中で最も頭の切れる男。安倍首相が彼を批判すれば、中国との関係を密にしていくでしょう。加えて、ロシアは、ウクライナ問題でアメリカや欧州諸国と対立している。極端な話、第二次冷戦という流れを生みかねません。もし、仮にそんな流れが起これば、高支持率の安倍政権も一気に潮目が変わることもありえますね」

そうであればこそ、今、勝負に出るしかない。政治評論家の浅川博忠氏が言う。

「首相の目標は、祖父・岸信介・元首相が終生の悲願としていた憲法改正。その憲法改正発議には衆院の3分の2以上、320議席の賛成が必要です。翻(ひるがえ)って現在、衆院で絶対安定多数の294議席を獲得しているとはいえ、憲法改正にはまったく足りていません」

機を捉えて解散・総選挙。戦後政治史に残る史上空前の勝利を収めて戦後レジームを変える――それが安倍首相の悲願というが……。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2
  3. 3