ミスターが漏らした爆弾発言

とはいえ、原監督が今季限りだとしても、松井氏が監督を引き受けるかどうかが最大の問題だ。むしろ、松井氏が"ヤンキースのフロント入り"してしまった現状では、巨人監督就任は遠のいてしまったと考えるのが常識だろう。
しかし専門誌記者は、その考えを否定する。
「実は、松井氏はヤンキースの正式なフロントメンバーには入っていないんです。フロント入りしたならば1年やそこらで辞められるものではなかったでしょうが、彼は、あくまでもキャッシュマンGMの特別補佐という立場。縛られるというようなものではないんです」

それどころか、巨人軍としては、むしろ今回の松井氏のヤンキース巡回コーチ就任は大歓迎なのだという。前出の江尻氏が言う。
「巨人の白石オーナーは、松井が巨人の監督になる前にヤンキースで、コーチのような仕事をすることを歓迎しているんです。メジャーで指導者の勉強をすることは非常に意味がありますし、松井がこうした仕事を引き受けること自体が、指導者への第一歩を踏み出すことを決意したということですからね」

さらに加えて、松井氏が最も尊敬し、深い親交を持つ長嶋茂雄巨人軍終身名誉監督のこんな爆弾発言も、来季の巨人軍松井監督誕生を後押しするのだ。それは、今年1月3日にTBS系列で放映された『長嶋茂雄の真実』という番組の中で、長嶋氏が漏らしたものだ。
ミスターは「松井くんに監督になってほしい」と自らの"願望"を表明しつつ、「このオフにもなるんじゃないかと思っている」と、踏み込んだのだ。慌てて隣に座る娘の三奈さんが制したのだが、長嶋氏と松井氏が特別な師弟関係にあることは周知の事実。

そして、ミスターは周囲に「俺の最後の仕事は松井監督を誕生させること」と明言しているというのだ。
巨人軍V9戦士で野球評論家の黒江透修氏は、3月27日の開幕戦が行われた東京ドームで、長嶋氏に挨拶したあと、トイレで松井氏と遭遇したという。
「松井は元気そうでしたよ。彼は、これから長嶋さんに会うって言っていました」

ここで具体的な話し合いがあったとは思わないが、以心伝心で、
(松井、次は頼むぞ)
(はい、わかりました)
と熱い目線が交わされた可能性はあるはずだ。
ようやく始まったペナントレースの水面下では、着々と、「2016年、松井監督誕生」のレールが敷かれている、と見るべきではないだろうか!

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2