老朽化や地盤の弱い土地など注意ポイントを完全公開

2011年3月11日の悲劇から4年が経とうとしている。
M9.0という強大な揺れに、高さ40メートルの未曾有の津波、さらには福島第一原発の事故による放射能問題。さまざまな障害が同時発生したため見落とされがちだが、多くの被害を出したのは高速道路も同様だ。

東北地方の大動脈・東北道は震災のダメージで、川口JCT~碇ヶ関(いかりがせき)IC間の約630キロが通行止め。3月18日から、浦和IC~宇都宮ICは通行可能となったが、それ以外の箇所の通行は4月まで待たなければならなかった。震災直後に被災地の高速道路を走行した交通ジャーナリストの村松虎太郎氏が話す。
「東北道の路面はデコボコで、海外にあるスピードバンプのような箇所がいくつもあって、そのたびに車体がジャンプし、車の腹を道路にぶつけました。また場所によっては、のり面が崩れ、通行部に亀裂が入り、路肩が崩れ落ちる惨状で、一歩間違えれば危険な目に遭う非常に危ない道路と化していたんです」

震災直後からただちに行われた補修工事のあとですら、この状況だというから、揺れの発生時に、まさに走行していた車両の危険さは言うまでもない。
「崩れてきたのり面に車が押し潰される、あるいは地割れ部分に車が落下してしまう、さらには路肩や橋の崩落と同時に車両もろとも投げ出されるなんてことは十分に考えられます。ましてや高速走行中であるため、少しの"異変"が甚大な被害をもたらしかねません」(前同)

地震と高速道路というと、多くの人の記憶に刻まれているのが、阪神・淡路大震災時の阪神高速3号神戸線だろう。橋脚が真っ二つに折れ、数百メートルにわたって真横に倒壊するなど、無残な光景は列島に衝撃を与えた。
「走行車両が道路から投げ出されたり、並行する一般道を走っていた車が倒壊してきた高速道路に潰されるなど、甚大な被害を出しました」(全国紙経済部記者)

強大な自然災害の前にはなす術がない……。そう思って諦める読者も多いかもしれないが、そうとも限らない。東日本大震災においても、一定の"法則"があったという。
「三陸道や仙台東部道路などの新しい路線よりも、建設時期が古い東北道のほうが、震源から遠いにもかかわらずダメージがひどかったですね。なかでも宮城県栗原市近辺や福島県須賀川市近辺など、地盤が弱いとされる地域の道路は歪みやひび割れ、崩落が特に目立っていましたから、建設時期や地盤を知っておくことが、いざという時に自分の命を救ってくれるかもしれません」(前出・村松氏)

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