湯船でゆらゆらするだけ。自然と自己評価が上がって安眠できる。



夜、ベッドに入って眠ろうとすると、頭の中をよぎるのは……今日やってしまった仕事のミス、言わなきゃよかったあのひと言、上司に言われた辛らつな言葉……「ああ、もうヤダヤダ」――。朝も爽やかな目覚めとはほど遠く、起き上がる前に早くも仕事のことで急き立てられるような気持ちになり……「もう、このまま休みたい」――。

「そんなとき、心穏やかにぐっすり眠り、翌朝はやる気がみなぎる――。そんな方法がまだまだあるんです」というのは、前回の脳ストレッチ(ホメオストレッチ)でご登場いただいた、ストレスケアのプロフェショナル、鈴木絢士さん。

ストレスケアを研究し、実践・指導して30年余り。脳科学の最新知見も得ながら編み出してきた、さらなるメソッドとは――。

先生
鈴木絢士(けんじ)さん
BTU東京校校長。ストレスケア・カウンセラー。これまでにのべ1万人にカウンセリングを行い、約750人のストレスケア・カウンセラーを養成。企業、学校、公共団体、一般を含め、4000人にレクチャーを行ってきた。著書に『あくびをすれば望みは叶う』。BTU東京校:http://www.btu.co.jp/


「脳は、いつも身体と連絡を取り合っています。感情の脳といわれる快感や不快感や恐怖などに関わっているのは、大脳の深いところにある扁桃体。身体が緊張したりアンバランスになっていると、扁桃体も緊張してアンバランスになる。すると心も後ろ向きになるのです。逆に身体がゆるむと、扁桃体の緊張・興奮も低下して心もゆるみ、前向きな感情が湧いてきます。安心してぐっすり眠るためにも、この身体と脳の脱力は欠かせません」

安眠の極意は、脱力にあり――。鈴木さんが、心身が脱力状態に至りやすい環境として注目したのは、お風呂です。

「1日の終わりにはシャワーではなく、ゆったりと湯船に浸かってください。自然と身体と脳が脱力する入浴法があります。極めて簡単な、だれにでもできる方法ですので、ご紹介しましょう」
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