ミネラルウォーターは体に悪い? 水道水と比べてわかったその理由の画像
ミネラルウォーターは体に悪い? 水道水と比べてわかったその理由の画像

水道水はカルキ臭い、とミネラルウォーターを買う向きも多いだろう。しかし本当に水道水はカルキ臭いのか?

カルキ臭は専門的にはクロラミン臭と呼ばれる水中のアンモニアなどの化学物質と殺菌用の次亜塩素酸ナトリウムが反応してできるトリクロラミンが原因だ。以前は夏場の水道水はカルキ臭が強かった。夏は殺菌のために使用する次亜塩素酸ナトリウムの量を増やすためだ。ところが最近の水道水は、塩素で殺菌後、高度浄水処理を行う。

高度浄水処理は従来方法で殺菌した水を、活性炭を通す・オゾン処理する・バクテリアで分解するという3つの方法でさらに処理する。この過程でトリクロラミンなどはすべて分解されてしまう。

厚生労働省健康局水道課の「水道事業における高度浄水処理の導入実態及び導入検討等に関する技術資料」によると、3つすべてを組み合わせて処理した水に含まれる不純物は基準値を大きく下回り、ほぼゼロ。つまり最高度の高度浄処理をされた水道水からはカルキ臭がしないのだ。

つまり東京都水道局は高度浄水処理を行っており、もし東京の水道水をカルキ臭いと感じたら、それは錯覚だと思っていい。東京都は水道水をペットボトルに入れて『東京水』として販売しているが、その自信には根拠があるのだ。

いっぽうカルキ臭ではなく、健康の面からミネラルウォーターを買う人もいる。塩素消毒した水道水には発がん性物質のトリハロメタンが含まれているから、というのが主な理由だろう。しかし高度浄水処理を行った水道水からはトリハロメタンも測定不能なレベルまで除去される。もしトリハロメタンが理由なら、1リットル0.1円の水道水も198円のミネラルウォーターもトリハロメンはゼロだ。

実はミネラルウォーターが安全かというと、これは怪しい。原水から泥などを沈殿除去、ろ過、加熱殺菌したものがナチュラルミネラルウォーター。ここからさらにオゾン殺菌等を行うと、ただの水扱いになる。どの水にしろ、安全基準はゆるい。というのも、水道水は不純物を徹底的に取り除くが、ミネラルウォーターは不純物=クロム、カルシウムなどの鉱物成分が含まれているから、ミネラルウォーターと呼ばれるからだ。いわゆる硬水であり、硬度が高い水をたくさん飲むとお腹を壊すこともある。殺菌処理が不十分ということはありえないが、弱小メーカーでは採水源が化学汚染されても気づかずに出荷する可能性はある。

原発事故以降、自分の飲む水を気にする人が増えたが、思い込みで選ばずちゃんと調べることが重要だ。

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