パチプロにとっていちばん重要なのは「ホールに到着してから勝って帰るまで」ではなく「明日以降の予定」です。ひとたび席に着いてハンドルを握れば他の客と同じ土俵。プロの技を駆使したところでつけられる差は意外に少ないのです。
それよりも、明日の店選びと台選びがプロ稼業を続ける上では永遠のテーマとなります。優秀店が多かった昔は同じホールに通うだけで勝てましたが、今はいいお店もチャンスも少なくなり、それを細く長く狙いたいので、多くの候補店をローテーションで打つ温存策が柱です。1店舗で出しすぎてしまうと、その後打ち手に厳しい台調整になる可能性が高まりますし、しわよせが必ず来るんですのう。
打つ店を探すために欠かせないのが情報収集ですが、手段はいろいろ。重要な順にいえば「実際のホールを下見」「新聞折込チラシ」「DMハガキ」「ホール情報誌」「店のホームページやメール配信」です。地域密着度が高い情報ほど有益で、誰でも簡単に入手できるような手段ほど価値が薄くなります。刑事ドラマと同じく、ネタは靴底をより減らして自分で集める、これが基本中の基本。一軒でも多く下見することが勝ちに直結する決定打なのです。
ところがココで頭を悩ませるのが、パチンコを打つ時間と下見時間とのバランス。打つ時間を増やすほど日銭も増えます。しかし目先の稼ぎにとらわれていると、明日の店探しができなくなって立ち往生します。逆に下見ばかりだと精度の高い情報を集められる反面、肝心な打つ時間が減って収入が激減。
そこで朝イチの時点で狙い台を確保できれば粘り倒す。もしイマイチな状況であれば、早めに見切りをつけて下見廻りへゴー。そんなバランスの取り方を繰り返してきた20数年でした。言い換えれば、行き当たりバッタリな人生なのかも知れませんのう、パチプロって……。

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