一方、家臣や相手武将からカリスマとして、軍神として崇められた上杉謙信だが、実は彼にもいくつかのタブーがある。謙信は生涯で一度も結婚していないほか、女性に興味を持たなかったことから、「ゲイ説」や「実は女性説」が囁かれていた。そして、それは誰も謙信に聞くことのできなかった禁忌だったのである。

 そのうえ謙信といえば、武田信玄が内陸国ゆえに塩の調達に困っていた際、何度も対戦したライバルにもかかわらず、“敵に塩を送った”という逸話で有名だが、実は、これも虚実入り混じった話なのだ。「実際には塩を送ったのではなく、塩商人を武田領に送り込み、法外な値段で売りさばいたんです。相手国の資金力を低下させ、自分の懐を豊かにし、しかも、相手国の事情や土地勘もつかめる。実に巧妙な作戦ですよ」(郷土史家)

 実は美談ではなかった、ということなのだ。テレビや教科書が絶対に教えてくれない、戦国武将の裏の顔。英雄や武将といえど、結局は、みんな人の子なんです!

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