●μ’s……「ミューズ」と読む。ミューズとは、女子高校で結成された架空のアイドルグループを題材にした漫画、小説、アニメ、音楽作品のメディアミックス作品『ラブライブ!』に登場する架空の9人組のグループで、今回出場するのはその担当声優で結成された同名の声優ユニットのことである。声優の出場は、審査員で出場した大山のぶ代(82)などを除き、水樹奈々(35)に次ぐ2度目とのことでアニメ界の快挙である、と言いたいところだが、今年は紅白内の特別枠で「アニメ紅白」が開催される。NHKの発表によれば、紅組司会は『ちびまる子ちゃん』のまる子、白組司会は『妖怪ウォッチ』のウィスパー。出場歌手によるアニソン対決が行われ、その応援には『巨人の星』、『ゲゲゲの鬼太郎』、『北斗の拳』、『新世紀エヴァンゲリオン』、『ヤッターマン』、『セーラームーン』、『機動戦士ガンダム』のキャラクターたちがスクリーン上に登場するという。小原乃梨子(80)、野沢雅子(79)をはじめ高齢声優の多い懐かしアニメ界だけにセリフを生であてるのか、もしくは事前収録なのかが気になるところだ。

●近藤真彦(51)……なんと1996年第47回以来の19年ぶりの出場。芸能生活35周年をむかえた記念の年という取って付けたような理由による出場である。数えてみれば、その35年間のうち歌手としての盛りと言える期間は10年に満たない。かつて、同じ「たのきんトリオ」の仲間だった田原俊彦(54)の全盛期だった90年代初頭、ダンスの練習に励んできたことでブレイクした田原とカーレースに夢中でこれといってヒットのない近藤を比較して『アリとキリギリス』に例えられるようなことがあったが、結局は会社に長くいるものが勝つという社会の縮図のような結果に。ともあれ、近藤の出番では、「母親代わり」である司会の黒柳徹子(82)を先導に、後輩のジャニーズタレントたちが総出で入れ代わり立ち代わりに近藤をヨイショしまくるという、会社の忘年会のような光景が見られるだろう。歌うはもちろん、『ギンギラギンにさりげなく』だ。

 紅白の人選も、子どもから高年齢層まですべての年齢層を対象としたパターンとなってからずいぶん経つ。そのたびにネタ切れといわれ、打ち切り説も常にささやかれてきた。視聴率70パーセントを誇った80年代の黄金時代はもう夢物語だ。全体的な人選が80年代っぽいのはひょっとして黄金時代をもう一度……ということだったら、紅白も本当に末期?

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