春の甲子園、プロ注目の「金の卵」たちの画像
春の甲子園、プロ注目の「金の卵」たちの画像

 球速140キロ台なんて今やザラ! それを打ちまくる打者も数多い。ペナントレースも顔負けの熱戦が展開される前にチェックすべし!!

 3月20日、ついに選抜高校野球が開幕。残念ながら今回は、昨夏の甲子園を沸かせた人気者の清宮幸太郎内野手を擁する早稲田実業の出場は叶わなかったが、他にもプロのスカウトたちがマークする「金の卵」たちがいる。彼らの実力は、いかほどなのか――。高校野球をより面白く観戦するため、チェックしてみたい。

「今年の高校生は、左投手の“当たり年”。センバツ出場32校のうち10校のエースがサウスポーなんです。その中にも、プロのスカウト大注目の選手が目白押しです」(在京球団スカウト)

 特に、今大会ナンバーワン投手と目されているのが、昨秋の神宮大会で150キロの球速を叩き出して話題となった大阪桐蔭の高山優希投手。180センチ、70キロの体躯から繰り出す伸びのある直球と100キロ前後の緩いカーブ、それにスライダー、シュートが持ち球だ。同じ高校ということで、阪神の藤浪晋太郎に似ていると評されることもあるが、大阪桐蔭の西谷監督は、「藤浪の域にはまだまだ」と手厳しい。細かいコントロールにはまだまだ難があるものの、それだけ“伸びしろ”があるとも言えるわけで、将来が楽しみな投手だ。

 その高山に勝るとも劣らない評価を得ているのが、花咲徳栄の高橋昂也投手。昨夏の甲子園大会の準々決勝。優勝した東海大相模にサヨナラ負けを喫したものの、2年生ながら小笠原慎之介投手(現・中日)と互角の投げ合いを演じ、スカウト陣の注目を集めた。「MAXは145キロ。“直球でも変化球でも三振を取りたい”と公言するだけあって、三振の取り方が上手いんです。昨秋の埼玉大会では、1試合19奪三振を奪う快投を演じました」(スポーツ紙デスク)

 左腕だけではなく、右腕にも注目すべき選手はいる。まずは敦賀気比の山崎颯一郎投手だ。「昨年のセンバツで優勝したときは、エース平沼翔太(現・日ハム)の控えでしたが、昨夏の甲子園2回戦・花巻東戦で、たった2イニング投げただけで、プロのスカウトを色めき立たせたほどの逸材です」(前同) この試合、花巻東に研究されたエースの平沼が4回までに4失点。そこを山崎が救援し、4奪三振、被安打ゼロのパーフェクトピッチングを演じてみせたのだ。「この試合には負けてしまいましたが、山崎はここで大きな自信をつかんだはずです」(同) 現在、MAX144キロ。この冬の徹底した走り込みで、球速はさらに上がっているとの声も。

 球速の話をするなら、150キロ台を出すのは、高山だけではない。右でMAX150キロを叩き出すのが、創志学園の高田萌生(ほうせい)投手。横浜高校が春夏連覇した1998年に生まれ、小学生のときにメジャー1年目の松坂大輔のストレートに魅せられたという高田は、松坂のフォームを真似て、いつしか「松坂2世」と呼ばれるようになったという。「とにかく、冬場には徹底的に走り込む。あまりに走りすぎて、疲労骨折するというアクシデントもありましたが、あの走り込みで作り上げた強靭な足腰が、150キロのスピードを生み出す原動力になっているんでしょう」(前出のスカウト) ただ、コントロールに課題が残る。146イニングで70個の四死球を記録するなど、今ひとつ不安定なのが難点か。

 高校野球のスターといえば、「エースで4番」。それを地で行く選手もいる。東邦の主将・藤嶋健人投手だ。146キロの速球にスライダー、カーブ、カットボールなど、緩急をうまく使った投球術で、抜群の安定感を誇っているが、それよりもプロのスカウトが惚れ込んでいるのが、並外れたパンチ力を持った打撃だ。「高校通算本塁打38本(3月19日現在)の打力は伊達じゃありません。あれだけバットが振れる選手は、なかなかいない。飛距離も半端ないと、各球団のスカウトはそのバッティングにベタ惚れです」(前出の記者) もしかしたら、大谷翔平ばりの「二刀流」としてプロ入りする可能性もある。

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