元祖「18歳の4番打者」であり、西武のコーチとして清原の指導に携わった土井正博。80年代に西武黄金時代を築いた石毛宏典。球宴通算打率0.365が清原と並んで1位(100打席以上)の落合博満は、ロッテ時代の81、82年にベストナインを受賞している二塁手で起用したい。

 激戦区の三塁には「怪童」中西太を推したい。「平和台球場のバックスクリーンを越えていった一発が、160メートル弾として伝説になっている。試合前のホームラン競争にも出てほしいね」(前出のデスク)

 東京ドームの天井スピーカーに打球を当てたことがあるブライアント、横浜スタジアムの電光掲示板への直撃弾で規格外のパワーを見せつけた柳田悠岐らとの飛距離合戦は見ものだ。その柳田はおろか、走攻守3拍子兼ね備えた秋山幸二でさえ、スタメンを外れかねない層の厚さを、パ・リーグの外野陣は誇る。

 プロ通算1065盗塁の福本豊を中心に、レフトには04年の球宴でホームスチールを決めたSHINJO。そして、ライトにはもちろんイチロー。通算3085安打のプロ野球記録を保持する張本勲は、指名打者に回ってもらった。「喝!」と言われそうではあるが。「イチローにはぜひまたマウンドに立ってもらいたい。キャッチャーはノムさんで(笑)」(前出の若手記者)

 96年に実現した「投手・イチロー」。だが、このときはセ・リーグの野村監督が松井に代打・高津臣吾(ヤクルト)を送り、やや拍子抜けに。今回はどうなるのか!? 84年に江川の9連続奪三振を阻止した大石大二郎、さらに74年の第1戦でヤクルトの松岡弘から球宴史上唯一の代打逆転サヨナラ本塁打を放った高井保弘は「代打枠」でメンバー入りした。現役組の中田翔にはパ・リーグの伝統を継承させたい。

 かくして完成した究極のドリームチーム。決戦の舞台は甲子園球場。日本全国から野球ファンが殺到することは間違いない。始球式――、一塁側ベンチから姿を現したのは、なんと沢村栄治。三塁側ベンチから打席に向かうは、これまた驚きの大下弘。手に握られているのは青バットだ。

 沢村の快速球を大下が豪快に空振りして、いよいよプレーボールの瞬間が近づいてきた。パ・リーグの先頭打者、SHINJOがバットの先端をレフトスタンドに向ける。「この小僧が!」と、金田が吠える。球審の右手が上がった。史上最大の夢の球宴。勝負の行方や、いかに――。

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