姉妹揃って感心するほどしたたかだが、今回採り上げるのは姉のほうだ。というのも、奈津子は17年6月から食べログの著名人ブログとして、『奈津子の!一生、餃子に恋してる』を開設。同年9月発売の『食べログBOOKS 餃子グランプリ』(セブン&アイ出版)にも関わっている。つまり、食でも半ばプロパーを自認するからだ。

 もっとも、実際に特設ブログを覗くと、最後の更新が19年8月で、訪問した店も3年で60軒となっている。『愛しの街場中華』(光文社)の著者であるぼくに言わせてもらえば、そもそも餃子は専門店だけで食べても意味がない。膨大な中華料理屋の中からダイヤモンドを掘り出すのが醍醐味。

 いろいろ身過ぎ世過ぎに苦労もあろうが、と思いつつ最もメジャーな餃子専門チェーン名と彼女の名で検索をかけてみた。やはり押さえてました。肉汁餃子製作所ダンダダン酒場改め、肉汁餃子のダンダダン。食べログでの下北沢店のレビューを読んでみる。タイトルは『思わずくちずさみたくなる店名の実力』。

…だん、だだん、と思わず口ずさみたくなる店名はサブリミナル効果に実に成功していると思う。『餃子とビールは文化です』という魅力的な名言が施された看板に思わず一礼してから入店。店内の雰囲気は昔ながらの居酒屋さんといった感じ。個人的には、裏の裏をかいて初デートでこういうお店に連れてきてもらったらかなりグッときますね。(中略)注文したのは・肉汁焼餃子 440円・水餃子 460円・手羽餃子 470円

 焼餃子の味はタレが不要という事前のインフォメーションどおり、味付けがかなりしっかりしています。私には少し脂っこかったです。水餃子は他店の水餃子よりも皮が伸びやすいので来たらスグ食ベていただきたいです。こちらは少しさっぱりめ。 餡でパンパンに太らされた飴色の手羽餃子はビジュアルだけでも既に絶品! こちらもやっぱりかなり濃いめの味付けですが、ビール党にはちょうどいいのかな。
 特筆すべき点はお通し代がかからない所!これがかなり嬉しかったです!
 ときたま急にこみあげてきて抑えがきかくなる、緊急の餃子欲求を満たす為の「サクッと餃子」したいときにもかなり良さそうです。

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