乃木坂46名義の音楽リリースから半歩外れた場所で、また秋元康作詞という原則からも離れたフィールドで、明確に乃木坂46オリジナルと呼べる音楽作品を発信する可能性を、こうした個人PVは示している。

https://www.youtube.com/watch?v=c8XX0oPHfXs
(※齋藤飛鳥個人PV「ミュージカル 齋藤飛鳥」予告編)

 2010年代後半に入り、新たにグループに合流することになる3・4期生の個人PVにも、太陽コンピューターは作品提供していく。

 本連載では昨年6月に3期メンバーの初期個人PVを中心的に扱ったが、それらの3期生の作品群の特徴は、乃木坂46にとってすでに個人PVが所与の前提になっていること、つまり「乃木坂46に加入する=個人PVを経験する」という構図を作中に組み込んだものが多いことだった。

 そこでは、通常どおりの形式を保って個人PVが制作されながらも、「通常どおりのタイプの個人PVを、新加入の3期生が体験する」という視点までを含みこんだメタ的な性格が必然的に生まれる。

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