■円丈師匠の「もう一つの偉大な功績」とは

 前出の中井氏が指摘する円丈師匠の「もう一つの偉大な功績」は、後進の噺家たちに与えた影響だ。

「若手の頃は古典のテクニックをみっちりと学んだ円丈師匠ですが、1980年代からは自作の新作落語を次々と発表。その斬新な面白さにハマって落語界に足を踏み入れる若手を大量に生み出したのです。

 春風亭昇太師匠や柳家喬太郎師匠などの現代落語の第一人者たちも”円丈チルドレン”を自称していますので、ある意味、現在の落語ブームは円丈師匠が作り上げたと言っても過言ではありません」(中井氏)

 前出の編集者が、声をひそめて語る。

「一般的に落語ファンは保守的なので、古典落語ばかりが持て囃されて新作落語は低く見られがちですが、考えるまでもなく新作落語を作るほうが大変なんですよ。0から1を生み出す、いわゆる”ゼロイチ”の能力も求められますし、どんなに傑作を発明しても古典ファンからの受けが悪いなど、コスパが非常に低い。だからあんまり新作をやる噺家さんがいないのです。だけど、落語を聞きかじった程度のファンはともかく、プロの芸人はみんな、円丈師匠がいかに偉大だったかをよく分かっているはずですよ」

 円丈さんの弟子は11人。孫弟子はすでに2人いるうえに、他の一門でも「円丈師匠は心の師匠」と崇める落語家は数知れず。円丈さんの偉大な功績は、こうして次の世代に引き継がれていくことだろう。

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