藤井聡太五冠vs“伝説の棋士”大山康晴永世名人「最強の矛と最強の盾」対決!「全盛期に戦わば!」徹底分析の画像
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 現在、圧倒的な強さで五冠を達成し、“一強時代”の到来が叫ばれる将棋界の天才・藤井聡太五冠(19)。

「そんな無双状態の藤井を見て、将棋ファンから“誰なら藤井を倒せるか”という話題で持ちきりです。その中には、現役の棋士のみならず、タイトルを独占していた頃の全盛期の羽生善治九段など、“夢のマッチメイク”を妄想する人も少なくありません」(全国紙文化部記者)

 前号ではその羽生九段の全盛期との夢の対決を検証したが、今回は……。

「この対局は最強の矛と最強の盾の対決のようなもの。ぜひ私も見てみたいです」

 本誌の詰将棋連載を担当する佐藤義則九段がこう話す相手こそ、1992年に亡くなるまで、棋界の最高峰、順位戦A級に在籍し続けた大山康晴十五世名人だ。

「大山名人はタイトル獲得数80期で歴代2位、さらに、名人を歴代最多の、連続13期、通算18期獲得した、まさに伝説的な棋士です」(前出の文化部記者)

 佐藤九段は、こうも話す。

「藤井さんはAIでの研究など、常に最善手を指し続け、攻め勝つ“理想型”と言えます。一方、大山名人は“平凡は妙手に勝る”という言葉を残されているように、相手との間合いを測りながらカウンターを狙う、受けの“現実型”の棋士ですね」

 そんな最強対決の軍配はどちらに上がるのだろうか。現役時代、“終盤の魔術師”と評された、森雞二九段は、こう分析する。

「大山名人が名人位を連続で獲得されていた、1960年頃、つまり、40 歳くらいの大山名人であれば、藤井さんには負けないと私は思いますね」

 その根拠は、大山名人の棋風にあるという。

「この頃から勝つために、棋風を受けに変えたんです。これは、なかなかできることではありませんし、この頃の大山名人の受けは、守りを固めるだけでなく、のらりくらりと受け流す技も一級品。今のトップ棋士は攻めを重視する方が多いですから、藤井さんでも苦戦すると思いますよ」(前同)

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