■姉妹からヒロインへのゴールデンコース
話題になったキャスティングでは、16年上期の『とと姉ちゃん』だろう。ヒロインは高畑充希(30)、姉妹には相楽樹(27)と杉咲花(24)。ほかには14年上期の『花子とアン』では、ヒロインに吉高由里子(33)、姉妹に黒木華(32)、土屋太鳳(27)がキャスティングされている。この中には杉咲や土屋のように、後にヒロインに抜擢されるパターンもあり、朝ドラファンは“三姉妹”に密かに注目しているのだ。
さて、今回の姉妹である川口と上白石だが、これまでの若手と違い、すでに十分なキャリアを積んできている。両者とも主役級であるだけでなく、それぞれ大河ドラマ『麒麟がくる』『いだてん』に出演しており、NHKとの縁も深い。もはや、朝ドラの姉妹役ではなく、ヒロインに抜擢されていてもおかしくない。
それほどの位置にいる川口と上白石が、今回の『ちむどんどん』で視聴者の支持を確かなものにできたならば、ヒロインの座はより近いものになるだろう。川口ならば『おかえりモネ』のような、現代が舞台のものが似合いそうだ。上白石なら、定番の戦前からスタートするパターンか。朝ドラファンとしては、今回の2人の抜擢から、いろいろと想像してしまうのだ。
黒島、川口、上白石の3人が並ぶとは、まさに眼福でしかない、これからの『ちむどんどん』三姉妹の成長とともに、3人の俳優としての成長にも注目して、見ていきたい。(ドラマライター・板橋六郎)