■「運をつかむジンクス」を有言実行する形に

「ちなみに、萩本さんは海外のクレイアニメ『ウォレスとグルミット』で声優をしたことはありますが、日本アニメでの声優業は今回が初。そういう意味でも、おめでたい話ですよね。

 それにしても、今回アニメに起用されたと話を聞いたときは、さすがの“有言実行”ぶりに驚きました。萩本さんは最近自分のポリシーを明かしたんですが、それを地で行ってるんですよ」(前出の専門誌記者)

 萩本は今年1月1日に新しい地図がMCの『ワルイコあつまれ』(NHK)に出演し、「将来の夢は?」という“ちびっこ記者”の質問に、

「大きな笑いつくって死んでいこうと思ってたんだけど、この前(21年11月)階段から落ちて、動けなくなっちゃったのね。だから、3日前にちょっと断念したんだ。無理だって」

 と切ない話をしていたが、同時に「運をつかむ前には、ひどいことがおこる」というポリシーも語っていたのだ。

「大ベテランの萩本さんが言うだけに本当に説得力がある言葉でしたが、まさに今回の声優起用という“運”をつかむ前に“悪いこと”である骨折をしていた、というわけです。骨折は本当に痛ましい話ではありますが、カッコよすぎますよね……これからも、活躍して欲しいものです」(前同)

 ちなみに萩本は「幸運」に限らず、多くの哲学を残している。有名な例には、木村拓哉(49)の才能も見出した「一問一答」が挙げられるだろう。

「欽ちゃんはスターになる人間については、ただ質問をして、答えさせるだけで分かったといいます。

 たとえば“1つの質問を端折った、2つ目の答えを一発目に言える人間”。たとえば、“昨日何やってた?”という質問に“動物園に行った”ではなく、“カバが大きな口を開けてたんだ”と答えられる、ということ。みんなが“何それ!?”と質問に食いつき、話が転がっていく。それこそがスターの条件だということです」(前同)

 88年に萩本の番組『欽きらリン530!!』(日本テレビ系)でデビューしたアイドルグループ『CHA-CHA』のオーディションには当時SMAPになる前の木村も参加していた。

 そしてオーディションで萩本は木村に「好きなものは何?」と尋ねたところ「お母さんが作ったお稲荷さん」と答えたという。

「この答えだけで、その子が愛情に包まれて、非常に多く人からやさしくされ、この子も愛情を受け取って歩んでいるのが一言で分かる」「一番いい答えをした」

 と、話していたことを、11年放送の『やりすぎ都市伝説』(テレビ東京系)で勝俣州和(57)が明かしている。

多くの哲学を持つ萩本。年齢もありテレビで姿を見せる機会は減ったが、YouTubeチャンネル『(萩本欽一)欽ちゃん80歳の挑戦!』を開設したり、まだまだ現役。お笑いの巨人は、やはりどこまでもすごい!

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