レンタルおじさん西本貴信「お客さんの女性と結婚したのは2人」麻美ゆまのあなたに会いたい!〔後編〕の画像
西本貴信

 前回に続いて、『おっさんレンタル』の創業者である、西本貴信さんとの対談です。1時間1000円で、“おっさん”をレンタルできるというサービスを開始して、今年で10年! しかも、利用者の9割が女性で、依頼内容もさまざま。部屋の掃除や引っ越しのお手伝いに加え、愚痴を聞いてあげたり、女性が若いイケメン男性には頼みにくいことを引き受けてくれるというんです(笑)。とはいえ、そこは男と女。ときには深い仲になるなんてことも!?

ゆま「お話を聞いていると、レンタルしたおじさんを好きになっちゃう女性も、少なくないと思いました。特に女性は、いろいろと相談に乗ってもらっているうちに、好きになることが多いと思うので」

西本「そうでもないと思うんですが……確かに、この10年間で、お客さんの女性と結婚したおっさんは2人いましたね」

ゆま「逆に2人だけなんですね。もっと、いそうな気がしたけど……」

西本「原則、お客さんと恋愛関係になったり、肉体関係を持ったりしてはいけないことにしているんです」

ゆま「そうですよね~」

西本「ただ、僕も、お客さんの女性とレンタルおっさんが、どういうやりとりをしているのか分からないんです。基本的に、お客さんとレンタルおっさんが直接やりとりをしているので」

ゆま「え? そうなの? ちなみに、レンタルおっさんは今、何人ぐらいいるんですか?」

西本「全国津々浦々に70人以上が登録しています」

ゆま「そんなにいたら、確かに管理しきれないですよね。あの、下世話な話ですけど、1時間1000円でレンタルされるおっさんたちは、実際、いくら自分の懐に入るんですか?」

西本「全額です。その代わり、レンタルおっさんには登録料として、月額5000円払ってもらってます」

ゆま「なるほど~。じゃあ、5000円以上稼げれば、プラスになるんですね」

西本「そうです。人気のレンタルおっさんとなれば、月に数万は稼ぎます。ただ、お金欲しさに登録しているおっさんはほとんどいないと思います。正直、時給のわりに仕事がハードなので、割に合わないと思います」

ゆま「それなら、どうして皆さん、レンタルおっさんをやるんですか?」

西本「簡単にいえば、自分を必要とされる“喜び”ですね。うちに登録しているおっさんはたいてい、家では粗大ゴミみたいな扱いを受けていますから(笑)」

ゆま「そんなことないと思いますけど……でも、レンタルおっさんに登録すれば、活躍できることも増えるんですね」

西本「はい。そもそも僕がレンタルおっさんを始めようと思ったキッカケは、“スーパーマン”を作りたかったからなんです。普通のサラリーマンが電話ボックスでスーパーマンに変身して、世界を救うように、家ではさえないおっさんがレンタルおっさんになったとたん、世の困っている人たちを助ける。これが理想なんです」

ゆま「おおっ! そういうお話を聞いていると、おっさん……いえ、世のオジサマたちがカッコよく見えてきました」

西本「だから、僕は面接のとき、ふだんから鍛えているようなイケてるオヤジだったら、お断りするんです。逆に、見るからに自信のなさそうなダメなおっさんを採用します。そのほうが実際、お客さんからのリピート率も高いんです」

ゆま「あ~、なんとなく分かります。私もイケイケでギラギラしている感じのおじさんは苦手です。むしろ、ありのままの姿を見せてくれるおじさんのほうが、好印象です」

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