■「笑われててもいいんです。とにかく笑ってくれればいいんですよ」
認めてくれる人がどれだけいるかわからないけど、ここまでなんとかやってこられてるのは、お笑いのおかげですから。映画やドラマや本やCDも、お笑いをやってたから、リアクションをやってたから。
バス沈められて、蜂の巣狩りやって、ヌルヌルやったから、っていうのがあるんです。その上島竜兵があるから、みんな笑顔でやってくれると思うんですよ。やっぱり自分で頑張ってるところを見せなきゃ、助けてくれないわけですからね。人間だから、ちょっと割のいいかっこいい仕事とか、魔が差すときもあるじゃないですか。でも、お笑いをやってたからここまできたんです。それを忘れたときは、本当にダメなときでしょうね。
「俺は笑われてるんじゃない、笑わせてるんだ」って人もいるし、それはそれでいいんです。
でも、僕には同じなんです。笑われててもいいんです。とにかく笑ってくれればいいんですよ。
お客さんの前でもスタジオでも、ウケたときは気持ちいい。志村師匠の舞台で、お客さんがドーンと笑ったりすると、これはセックスより気持ちいい。最近軽いEDだし(笑)。
若い人と一緒にやるときや、人気番組に出るとき、たまに不安になったりするけど、それはやっぱりやんなきゃね。勝っても負けても、誰かに面白くないっていわれても、やり続けないといけないし、お笑いやってるときが、自分では一番輝いてると思います。
ウケても、スベってもね。
上島竜兵(うえしま・りゅうへい)
1961年1月20日、兵庫県生まれ。太田プロ所属。中1で洋画を初めて見て憧れを抱き、かつスター俳優のギャラを知って衝撃を受ける。高校卒業後、家出同然で上京し、中学時代から似ているといわれていた西田敏行を慕い、青年座の養成所に。
半年後に帰郷し、1年間神戸でアルバイト生活したのち、再度上京。再び青年座の養成所を受験するが、パントマイムの試験で思い切り声を出し、大爆笑は取ったものの不合格、テアトル・エコーの夜間部に入る。そのころ寺門ジモンと知り合い、お笑いを志す。
テアトル・エコーの先輩であったコント赤信号の渡辺正行にネタを見てもらったところ、「売れるまで10年かかる」といわれ、「一緒にやってみな」と肥後克広を紹介され、『ダチョウ倶楽部』の原型が形作られる。その後、テレビでの露出が増え、“リアクション芸”と呼ばれるスタイルを確立。現在、バラエティ、ドラマ、映画、ラジオと多方面にわたって活躍。
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