6万人を超えるファンで埋め尽くされた東京競馬場のメインスタンド。石川さゆりさんによる国歌斉唱に続く、生演奏のファンファーレ。おなかに響く地鳴りのような拍手。熱狂。興奮。そして感動――。

 東京優駿、第89回日本ダービーで、夢の頂……2019年に生まれた7522頭の頂点に立ったのは、僕に朝日杯FSのタイトルをプレゼントしてくれたドウデュースです。

 父ハーツクライ、母ダストアンドダイヤモンズ。調教師は、栗東の友道康夫先生で、ノーザンファームの生産馬。オーナーは、“一緒に凱旋門賞を勝ちましょう”と誓い合った、松島オーナーが代表を務めるキーファーズ。改めて、ドウデュースと僕に携わってくださったすべての方に感謝です!

 新型コロナウイルス感染拡大の対策として、一昨年は無観客、昨年は4367人と、寂しい思いをしましたが、今年は、開門前からたくさんの方が長い列を作ってくださり、開門と同時にダッシュ。日本ダービーらしい、熱い、熱い、熱い雰囲気の中で、最高の結果を残すことができました。

――今の素直な気持ちですか? こんな素晴らしい雰囲気の中で、ウイニングランをすることができたんですから、それは、もう、うれしさしかありません。久しぶりに聞く、“ユタカ・コール”に心が震えました。

 20代最後の年に、スペシャルウィークで初戴冠。30代は、アドマイヤべガ、タニノギムレット、ディープインパクト。40代はキズナで勝たせていただき、6度目の今回は、53歳2か月15日での勝利。50代のダービージョッキーは初めてだそうです。

 ここまで来たら、60代でも……と言いたいところですが、7年は、さすがに先すぎますよね(笑)。

 レースは、ほぼ想定した通りで、ドウデュースも、期待通りの走りをしてくれました。唯一、“おっ!”と声を上げそうになったのは、最後の直線で、軽く気合いを入れたときです。

 ギュインと加速し、想定より早く先頭に。

 一瞬、気持ちが緩みそうになりましたが、ドウデュースは最後まで、しっかりと走り続けてくれました。

 いくつものことが重なっての勝利ですが、一つだけ挙げるとすれば、前半の位置取りだと思います。

 スタートがうまいほうではないので、後ろからの競馬になるとは思っていましたが、考えていた中でも、最高のポジションを確保することができたのが、最後の走りにつながりました。

 馬の体調次第ですが、日本ダービーを制したことで、秋は、すでに登録を済ませている凱旋門賞に胸を張って臨むことができそうです。期待していてください。

あわせて読む:
・「4630万円ネコババ男」で注目!誤送金された給付金を「すべて使った」!?過去に1億7000万円獲得も…治外法権「ネットカジノ」って何?
・鬼門の6月でも…パチンコ・パチスロの押し台は『P大工の源さん超韋駄天』『アイムジャグラー』で決まり!【ギャンブルライター・浜田正則コラム】