■SMA芸人の絆を深めた「賞レース後の恒例行事」
「僕が好きだったのは、たとえばバイきんぐがキングオブコントで優勝したり、賞レースにSMAの芸人が出たあとに必ずBeach Vでみんな待ってるんですよ。みんなで池袋の居酒屋を借り切って、そこのテレビで応援して、終わったら千川のBeach Vで出演者を待つ。
他の事務所の出演者も来るんですよ、吉本の芸人とかもいるし。出場芸人が来たら、ちょっとライブをやってあげる、みたいな。僕もそこでネタをやったりね。あの空間はすごい好きですね。
みんな戦い終わってハッピーな空間ですから。何をやってもウケるし、それがコロナでなくなっちゃったのが残念ですよね。あれはSMA独特だと思いますけどね。ただ、ご飯食べたり飲むだけじゃなく、ネタをやる」
――キャプテン渡辺さんが『R-1』決勝に進出した際にもみんなが集まった?
「僕が出たときはまだその文化はなくて。でも池袋の居酒屋で応援はしてくれてました」
■SMA芸人は「ネタに対して異常ですね」
――打ち上げでネタをやるというのはかなり独特ですよね?
「そうですよね。悪ふざけから始まったんだと思うんですけど(笑)。この事務所は、ネタに対して異常ですね、全員。“今日のネタどうだった?”とか、後輩とかにも聞きます。打ち上げに参加した吉本の増谷キートンさん(49)は“信じられん”って言ってましたよ。“ネタ終わったあと、こんなにネタの話するなんて……”って。
徹底的にネタの話ばっかり。僕が当時『R-1』の決勝とか出たあとに“あのネタどうだった?”、“今日のネタ見といて”って後輩芸人に言ってるところを見たらしくて、“後輩に『ネタ見といて』って言うんですか?”ってキートンさんに聞かれました。だから芸人だからって“若い頃にバカやったなぁ”なんてことはなかなかないですよ。こっちはネタにマジなんですよ!(笑)」
――打ち上げでもうかうか酔っていられないですね。
「むしろ酔っ払ってますね(笑)。酔っ払ってないとしんどいでしょう! SMA芸人のトップがシショウとバイきんぐさん。小峠さんは遊ぶときには遊んでるんでしょうが、シショウのストイックな部分を結構受け継いでると思うですよね」
――お酒の場でお笑いの話ばっかりっていうのは志村けんさん(享年70)みたいですね。
「志村さんもそうだったと思いますけど、しんどい場ではないですよ。“お前はアカン、あのネタ全然おもんない”とかそういうことではないですからね。すごくハッピーで前向きな感じで“もっとこうしたほうがいいんじゃない?”とか“あのネタよりこっちのほうがいいでしょ”みたいなアドバイスをくれるんです」
――後輩芸人が言ってくれるっていうのも他事務所だと考えられないですよね。
「僕もシショウとかには言わないですよ! バイきんぐさんにも当然言えないし(笑)」
■キャプテン渡辺
生年月日:1975年10月20日生まれ
出身地:静岡県
『ウイニング競馬』(テレビ東京/BSテレ東)にレギュラー出演中。11年ぶりの単独ライブ「漫談スタイル」を10月4日(火)東京「座・高円寺 2」 で開催した。
ツイッター @captain1975
YouTube 『キャプテン渡辺』