■奄美にロケット砲を配備
8月31日には、奄美駐屯地(鹿児島県奄美市)で、米軍の高機動ロケット砲システム「ハイマース」と、自衛隊の「12式地対艦誘導弾」の訓練が行われた。
「実際に発射はされませんでしたが、奄美への配備は初めてで、陸上から敵艦を攻撃することができます。12式の射程は長く、自走式で発射後に移動できるため、反撃を避けられます」
現在、日本政府は、この12式をベースに射程1000キロ超の長距離ミサイルを開発している。
■電子戦部隊も!
また、電子戦部隊の実動訓練も実施された。
「レーダーや無線通信など、戦場では無数の電磁波が飛び交っているため、電磁波対策は重要性を増しています。自衛隊はネットワーク電子戦システム『ニュース』を運用しているので、将来的に、敵のドローンや誘導ミサイルによる攻撃を避けられるかもしれません」
これらを組み合わせることで、より強固な島嶼防衛が可能だという。
「中国は、米国と衝突した場合に潜水艦などで太平洋へ進出するため、九州から奄美、沖縄、台湾へと延びる“第1列島線”の突破を意識しています。それを防ぐためには、今回のような共同訓練で、侵攻の意欲を失わせる、言ってみればナメられないようにすることが重要です」
隣国との軋轢は今後、激しさを増しそうだ。