■渡辺あや氏は見抜いていた?

 困った拓朗は、恵那に力を貸してほしいと頭を下げる。しかし、恵那はある理由で報道、ましてや冤罪事件とはもう関わりたくないと思っており、10年近くも前の風化した事件を掘り起こすことは得策ではないと一蹴。そんな恵那は、心身のバランスを失い、睡眠と摂食障害になっていて……という展開。

 テレビ局のタブーに切り込んだ硬派な内容で、放送直後からツイッター上では、「今期最高傑作になる予感! “国家権力”って言葉をドラマで超久々に聞き、本格的にワクワクする。テレビ局のリアルまで描いちゃうのも大胆。さすが、渡辺あや脚本」などと、熱量の大きい視聴者の声が続々と寄せられてた。

 また、郷敦にも「今までにないキャラで新しい、ポンコツ郷敦見た感じで、ところどころ吹き出した」「すごい重要な役どころだね。緊迫感のあるストーリーの中でほんわかした雰囲気が良いクッションになってたなぁ。でも、色々隠された秘密があるみたいで、そこも気になる」などと、称賛の声が多かった。

「ゴリゴリの社会派ドラマですが、それをエンタメとして成り立たせているのが、ダメAD役の郷敦です。正義の人だけでなく、拓朗のような煩悩にまみれたキャラがいるから、リアリティあるものとして見られますね。これまではイケメン役が多かったんですが、この作品で本格俳優の評価を得られそうです」(テレビ関係者)

 実際に渡辺氏もインタビューで、郷敦は目ヂカラが強くて体も強そうな抜群のエリートだが、優秀なのかボンクラなのか分からない、独特の魅力があると語っている。民放の連ドラとしては画期的な今作の出演によって、これまでの上から目線のクールな役柄から抜け出し、郷敦は一気に進化しそうだ。(ドラマライター/ヤマカワ)

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