急に気温が下がり、風呂が恋しくなる季節が近づいてきた。入浴と健康問題の専門家である早坂信哉・東京都市大学教授(医学博士)によると、「入浴法を変えるだけで健康度がグンとアップする」という。
「毎日、入浴する人は、週2回以下の人より、要介護のリスクが約3割減り、心筋梗塞や脳卒中、糖尿病や認知症になる危険性も減らせるのが分かってきました。また、入浴によりコロナ、がんなど、病気に対する免疫力もアップするという研究もある。これを、さらに効果的にする入浴法があるんです」(早坂氏=以下同)
■お風呂に入る時間、入浴前に緑茶を
まず、入浴する時間を意識したい。これは床につく1時間半前がベスト。眠りが浅い人も、よく眠れるようになるという。
次は入浴前の準備。寒暖差によるヒートショックを防ぐため、先に脱衣場と風呂場を温めておくのは、今や常識だが、これに加えて緑茶を飲んでおきたい。
「緑茶のカテキンは老化を防ぎ、抗ウイルス作用もあります。茶カテキンは吸収しにくい難点があるんですが、入浴前に飲むと7倍も吸収されやすくなることが実験で分かったんです」
■体の洗い方、湯船の温度は40度
体を洗う際は、あまりゴシゴシ洗わず、顔、胸、脇、尻、性器以外の部位は、お湯をかける程度にする。
「特に中高年の方は、ゴシゴシ洗うと皮膚表面の肌を守る菌類が流れてしまい、肌荒れやかゆみとなります」
湯船の温度は「ややぬるめの40度」がいいという。
「42度以上のお湯では、交感神経のスイッチが入り、血圧が上がったり、血液の粘り気が増えたりしてしまい、血栓ができやすくなります」
こうした血圧の上下や血栓によって、風呂場で亡くなる人は年間2万人もいる。熱すぎるお湯は要注意だ。