■声優たちの厳しい世界

 以前から、テレビ番組に出演するたびに、厳しい声優業界の事情を話してきた山寺。

「11月3日には、山寺さんがナレーションを務めるTBSの人気バラエティ番組『櫻井・有吉 THE夜会』に、声優の宮野真守さん(39)と、俳優の夏木マリさん(70)と共にゲスト出演。その際に山寺さんは“最近は(SNSの)フォロワー数とかでアニメのキャスティングをするっていう噂を聞いて”と話し、これに対し夏木さんも“聞いた、聞いた!オーディションなんかもフォロワーが多い人が受かるんだって”と共感していました。

 これには山寺さんも“なんだそれと思って。だからねそんな(フォロワー数)の関係ねえなんて言ってられないから(バズりたい)”と本音を漏らしつつ、驚きを隠せない様子でした

 山寺さんと言えば“七色の声を持つ男”といった異名を持ち、洋画の吹き替えから、アニメやナレーションといった幅広い役を演じ分けるレジェンド声優。そんな方ですらオーディションで配役が決まり、落とされるという厳しい世界に、驚きの声が続出していましたね」(前同)

 また、声優業界のオーディション事情について、過去には2019年7月28日放送のフジテレビ系『ボクらの時代』ではベテラン声優同士のエピソードが語られていた。

「以前放送された“ボクらの時代”では、山寺さんと同じくベテラン声優で大人気アニメ『ワンピース』で主人公・ルフィを演じる田中真弓さん(67)や、こちらも国民的アニメ『ドラゴンボール』で主人公・孫悟空を演じる野沢雅子さん(86)が、声優オーディションについて語る場面がありました。

 田中さんからは“ディズニーのオーディションに受かった試しがない”と衝撃の一言が飛び出し、これには野沢さんや山寺さんから“たまたまですよ”とフォローする場面も。

 さらに、続けて田中さんから、以前一度だけキャラクターを務めたことがある“サンリオ”のキャラクターについても“サンリオのオーディションを全部受けてて、全部落ちてるんですよ。これが全部(オーディションを)受けてるっていうのを嘘になるのはつまんないじゃないですか。なので、全てのオーディションに呼んでもらってる。ほっとにちゃんと落としてくれる”と告白し、その忖度のない厳しい世界に山寺さん・野沢さんも共感していた様子でした」(前同)

 また、経済オンラインメディアNewsPicksでは、2022年5月11日にメディアアーティストの落合陽一(35)と『新世紀エヴァンゲリオン』で主人公・碇シンジ役を演じた声優の緒方恵美(57)が対談。その際に、緒方からも痛烈な言葉がーー。

「緒方さんは“声優になりたいという人はほぼなれないです。なりたい人がなる仕事ではなく選ばれた人がなる仕事です”とバッサリ断言したんです。

 さらに“演技力だけには自信がある!みたいな事を言う人はよくいるんですけど、演技はある程度できるのが前提としてそれ以外に、色んな趣味を持っていたりとかして何かに打ち込んでいるような部分がないとダメだし。当たり前ですが我々の業界は社会なので、社会人としてというか人とうまくやっていく才能がないと難しい”と、様々な能力が必要な事を力説していました。

 ここまではっきりベテランの方が甘くない世界だ、と口を揃えている様子から、どれだけ声優の世界が厳しいかがわかりますね」(前同)

 現在、隆盛を極めているかに見える業界だが、生き残っていくのは至難の業のようだーー。

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