■打ち切りを疑う声も

 そして、次回の予告動画では、いきなり「前代未聞の最終話」と謳われると、これまでの謎のシーンの逆転再生とともに、「すべての伏線、ついに回収」「あなたはすでに騙されている」というナレーションが流れた。また、ネットのテレビ覧でも、番組名に「終」の文字が付いていたため視聴者は混乱。

 ツイッター上では「え、ほんとに終わるの?! もしかして、打ち切りなんてことある?」「公式サイトを覗きにいったら、右の方に“coming soon”って文字が出てくるんだけど、前からあった? もしかして6話からは別タイトルで続きあるよっていう匂わせ?」などと、ザワついていた。

 同局の日曜ドラマ枠では、『あなたの番です』なども予想外の仕掛けで話題作りをしているため、今作も“最終話”であって“最終回”ではないことから、第1部の終わりという意味だろう。そのため、視聴者は“最終話”に困惑しつつも、すべての登場人物が怪しい展開に考察で盛り上がっている。

 オチを知っている原作ファンの一部は、「未読視聴者はみんな騙されている」などと、この騒ぎを冷めた目で見ている。しかし、第4話の脚本は原作者の相沢氏が手掛けていて、オリジナル要素を含んだ複数のミスリードを誘う展開になっていたため、原作を読んでいても楽しめたようだ。

 原作の『medium 霊媒探偵城塚翡翠』には、続編に『invert 城塚翡翠倒叙集』と『invertII 覗き窓の死角』(すべて講談社)があるため、第2部として続編の採用と、相沢氏の協力によるオリジナル脚本の可能性が考えられる。まずは、次回の「前代未聞の最終話」を楽しむとしよう。(ドラマライター/ヤマカワ)

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