■「出られるだけ最高」と言いつつもやっぱり「変身」がしたい!

――お笑い芸人の方では?

ゴー☆ジャスが結構特撮好きで。一緒にトークライブしたりしてました」

――篠宮さんは、エキストラ的に『仮面ライダー』映画などにゲスト出演することがありますよね。いつかネームドキャラになりたい欲望はありますか?

「もちろんです。それこそ『ギーツ』は『デザイアグランプリ』ごとに参加者が一新されるわけじゃないですか。ちょい役でも出してもらえる機会があったらいいなと思います」

(※2022年スタートの『仮面ライダーギーツ』は多数の仮面ライダーが生き残りゲーム『デザイアグランプリ』に挑む、という物語)

―それこそ、『ギーツ』で芸人はあべこうじさんも出ていましたね。善玉か悪玉か、希望はありますか?

「そこはどっちでもいいんです」

――とにかく“変身”がしたい、と。

「そうなんです。むちゃくちゃ贅沢だし、出られるだけ最高なんですけど」

熱い想いを語ってくれた篠宮さん

――戦隊やライダーにハマりすぎたせいでやりすぎてしまった失敗談などはありますか?

「失敗ということでは……『仮面ライダー電王』(2007年)に出させてもらったときに、“はじめて特撮に、東映の仕事に関われる”っというのがめちゃくちゃ嬉しくて。セリフを覚えていくのはもちろんとして、モモタロスやウラタロス(※)のセリフを現場で、全然流れに関係ないのに挟みこもうとしたんですよ」

(※『電王』は個性豊かな善玉怪人が人気を博しており、彼らの名前は“○○タロス”だった)

――アドリブを入れちゃったんですね。

「ですね(笑)。で、僕が行った回の監督がめちゃくちゃ怖いことで有名な石田監督(※)だったんですけど、台本にはないのに“最初からクライマックスだぜ!”みたいなことを言ったら、“そういうの大丈夫だから”って言われて、“すみません”として。

 でも、完全にテンションが上がっているので、キャンディをもらうだけのシーンなんですけど、“もらうけどいいよね? 答えは聞いてない!”って付け加えて。そしたらやっぱり石田監督から、“だから、入れなくて大丈夫だから”って注意を受けて。

 でも、僕はまだ懲りてなくて、そのあとに、“キャンディもらって泣けるで!”みたいにキンタロスを意識したセリフを言ったら、石田監督がついに、“もういいっつってんだろぉっ!”と愛あるご指導を受けました(笑)」

(※石田秀範監督。とんでもなく厳しい鬼監督だが、要潤や竹内涼真綾野剛などにプロ意識を芽生えさせた名監督でもあり、“怖かった”と言いつつも慕う出身俳優は多い)

「 “すみませーーん!”って謝りました(笑)。でも実は、怒られるのも嬉しかったっていうか……そんな舞いあがった心境でしたね。

 せっかく出るんだったら、爪痕残そうと思っていたんですよね。違う爪痕の残し方しようとしちゃいましたけど(笑)。とにかく、“これだけ好きやねーん!!”っていうのを知ってもらいたくて。それこそベルトも巻いて行っちゃいましたしね(笑)」

篠宮暁(しのみや・あきら)

1983年2月8日生まれ。京都府出身。松竹芸能所属。屈指の“特撮大好き芸人”として『仮面ライダー』など特撮作品にかける情熱は凄まじく、毎週リアルタイムで感想をツイートしているほか、特撮コラムの執筆なども精力的に行なっている。また、日本漢字能力検定(漢検)準1級に合格しており、子供向け漢字ドリルも出版、多方面で活躍している。

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