■「木が良い」と「気が良い」は同じ

 そもそも木というのは、枝や葉では水を吸うことができない。根からしか吸わないということですね。つまり、大きな木があって緑豊かな場所は、地下水が豊かな場所でもある。

 そして、神社は漢字が登場する前からあったので、「字」より「音」が大事なんです。だから、「木が良い」と「気が良い」は同じなんですよ。

 人は生まれたときは水分が身体の80%を占めると言われているように、水がないと生きていけない。自分たちにとっての良いスポットを探すと、無意識に水分量が多い場所を求めているとも考えられるんです。

 そこに、プールのようにジャブジャブと地表に水がなくても、木を見ることで水が豊かかどうかわかる。木は上に向かって生えていっているので、その中を流れる水の存在が龍なんじゃないか、と気付いた場所ですね。

 現に、洲原神社がある場所の近くには川が流れていて水が豊かだったんですが、参拝後にそこが白山水系だったことを知りました。北陸にある白山に降った雨や雪が流れてくる場所だったんです。

 昔の人は水の流れのことを龍と呼んでいましたが、それに気付いたのが洲原神社でした。見えないものこそ龍なんですよ。

■【関西】大阪府八尾市恩智中町『恩智神社』

 ここの神使(神様の使い)はウサギさんです。そして、ここの境内には空海さんが湧き出させたという伝説のある井戸がありまして。境内に水がジャブジャブ湧いております。

「水の良いところ=気が良いところ」と常々申していますが、気がよくて、ウサギにまつわる神社として、こちらも癸卯の年にぜひ参拝して欲しい神社の1つですね。

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【プロフィール】
佐々木優太(ささき ゆうた)
神社ソムリエ、神社巡拝家。昭和59年7月7日生まれ、兵庫県出身。これまでに参拝した神社は1万以上、拝受した御朱印は4000以上。神社の歴史や文化への造詣も深く、神職や一般の方に向けた講演会活動なども行なう。最近はテレビ番組などメディアにも多数出演している。著書に『全国1万社を巡った僕が見つけた 開運!あやかり神社』(双葉社)。

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