■「なんで2014年よりももっと前に、R‐1が大事だと気づかなかったんや」と後悔

 そこで披露したネタが、200本の中でもウケがよかった「ホイップクリーム」。「ホイップクリームが流れる滝に行って、それを舐める」という“ウソ漫談”なんですけど、これがもう大ウケしたんですよ!

 その瞬間、「これや!」ってビビッと来て、その日を境に今の芸風に絞り込みました。「ホンマの話なんですよ」とか言いながら、ウソのエピソードに現実味を持たせて漫談をする芸人は他にいなかったので、絶対に突き詰めてやろうと思ったんです。だから「バスク」出演は、僕にとって一番の転機なんですよ。

 19年に初めてR‐1の準決勝に進出して、決勝まであと一歩まで行けたんですけど、21年から出場資格が芸歴10年以内に変更されてしまって……。そのときばかりは、「なんで2014年よりももっと前に、R‐1が大事だと気づかなかったんや」と後悔しましたね。

 だから、同じ年に、芸歴11年目以上のピン芸人を対象にした「Be‐1グランプリ」が始まったときは、ホンマにありがたかった。そのうえ、第1回大会は決勝に行けましたし、昨年の第2回大会では優勝することができました。芸歴18年でタイトルを1つ獲れてホッとしたと同時に、「“ウソ漫談”を突き詰めたことは間違ってなかった」と確信できたので、うれしかったですね。

 僕はライブが大好きだから、ずっと独演会やライブに出演していくつもりですし、ユーチューブチャンネル『街裏チャンネル』では、漫談以外にも自分のウソを落とし込んで、間口を広げていこうと思ってます。あと、先日ヒップホップ番組『フリースタイルティーチャ
ー』(テレビ朝日系)のラップバトルに出演させてもらったので、僕ならではの音楽面へのアプローチもしてみたい。

 “ウソ漫談”もそうですけど、誰もやってないことに魅力を感じますし、今後もワクワクするような芸人人生を送っていきたいですね。

街裏ぴんく(まちうらぴんく)
1985年、大阪府生まれ。2004年に漫才コンビ『裏ブラウン』を結成。3年で解散した後、ピン芸人『街裏ぴんく』として大阪を拠点に活動。2012年に上京し、2022年には、芸歴11年目以上のピン芸人のお笑い大会「Be-1グランプリ」で優勝。現在、ライブやテレビなどで活躍中。

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