週1~2日でも、8000歩以上歩く人は、歩かない人に比べて10年後の死亡リスクが約15%下がり、心筋梗塞や脳梗塞などによる死亡率も8%低減する。
こう発表したのは、京都大学と米カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究チームだ。
健康に不安を抱える中高年にとって、お金もかからず歩くだけで寿命が延びるのなら、うれしい話だろう。
■ウォーキングの効果
国内で、いち早くウォーキングの健康効果を提唱し、関連する著書も多数ある、池田克紀東京学芸大学名誉教授は、今回の京大発表をこう解説する。
「今回の発表は正しいと思います。実は2000年から15年以上の長期にわたり、群馬県中之条町で65歳以上の住民500人を対象にした疫学研究(病気などの発生頻度や要因を明らかにする研究)が行われています。そこでも、ウォーキングが健康に役立つことが判明しているんです」
池田名誉教授によると、中之条町で行われた、この大規模な研究調査では、次のような健康効果が報告されているという。
「脳卒中、心臓病、認知症、要介護リスクの減少、動脈硬化や一部のがん、骨粗鬆症予防にも効果があり、糖尿病や高血圧、脂質異常症など、中高年にありがちなメタボの改善も確認されています」(前同)
かように、歩くだけで“医者要らず”なのは、うれしい限り。とはいえ、ただ漫然と歩くよりも、より効果的な方法があるという。
健康運動実践指導者で、ウォーキングトレーナーの池田アキノリ氏が言う。