今年もまた、1年で最高にワクワクするこの日がやって来ました。90年の長い歴史を刻んできた東京優駿、日本ダービー。このレースに乗るためにジョッキーを続けていると言ってもいいほど、心躍る“日本競馬最高峰レース”です。

 僕が、このレースを制したのは過去6度。どのレースが一番うれしかったですか? イベントなどで、こんな質問をされることがありますが、うれしさは、どのレースも一緒です。ダービーを勝つ馬とは、どんな馬なのか? それを僕に教えてくれたのがスペシャルウィーク。連覇の楽しさと難しさを味わわせてくれたアドバイヤベガ。表彰式で、小泉純一郎首相(当時)から、「おめでとう!」と声をかけていただいたタニノギムレット。絶対に勝たなきゃいけないという重圧を、見事に跳ね返したディープインパクト。落馬事故を契機に、思うように勝てなくなっていた時期に出合ったキズナは、間違いなく僕のジョッキー人生の分岐点でした。昨年、ドウデュースで6度目の制覇を成し遂げることができましたが、もしもあのとき、キズナと出会っていなかったら、今の僕はいなかったかもしれません。

 そして、連覇を目指す今年の僕のパートナーは、皐月賞3着馬のファントムシーフに決定しましたが、彼の話をする前に、5月2週の競馬について少しだけ触れておきましょう。僕自身は、5月13、14日の2日間で4勝。今年のJRA勝利数を、33まで伸ばすことができましたが、映画やテレビドラマで言うと、僕はバイプレーヤー、脇役といったところでした(苦笑)。主役は、ソングラインでヴィクトリアマイルを制した戸崎圭太騎手。京王杯スプリングカップで、調教師として初めて重賞タイトルを手にした“エビちゃん”蛯名正義先生。僕の記録を超える史上最速&最年少で、JRA通算2万3000回騎乗を達成した幸英明騎手。そして、もう一人、14日の東京1Rを勝ち、自らが持つ記録更新したヨシトミ先輩、柴田善臣騎手です。4人の活躍には、ものすごくたくさんの勇気と元気をもらいました。本当におめでとうございます。

 でも、僕も負けてはいられません。ファントムシーフと挑む日本ダービーの主役は、誰にも譲りたくありません。日に栗東トレセンで行われた2週前追い切りで、初コンタクト。その背中の感触は、さすが皐月賞で1番人気に推された馬です。ポテンシャルの高さは僕が想像した通りのものでした。昨年のドウデュースは皐月賞3着から日本ダービーで頂点へ。スペシャルウィークもタニノギムレットもそうだったように、ファントムシーフも、皐月賞3着から夢勲章をつかみます。夢への扉が開くのは、5月28日15時40分。皆さん、東京競馬場でお会いしましょう!

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