■サーモンが大ピンチ
「中国で人気の寿司ネタは、なんといってもサーモン。くら寿司上海店では、サーモン関連のメニューが12種類も用意されているといいます」(商社関係者)
一方で、ロシアのウクライナ侵攻により、養殖サーモンの確保は大ピンチだ。
「産地であるノルウェーからの空輸便がシベリア上空を飛べず、迂回を強いられているため、コストが上がったんです」(前同)
それ以上に、危機的状況なのがイクラだという。
「養殖が主流のサーモンと違って、イクラの原材料は天然のサケから採れる卵です。2020年頃から自然界のサケは不漁続きで、イクラの取引価格はここ2~3年で約2倍に高騰しています」(前出の仲卸業者)
さらに、以前から中国人に人気のエビも暴騰中。
「ボタンエビ、甘エビの相場は、2021年頃から2~3倍になった」(前同)
■乱獲や気候変動の影響も
加えて、乱獲や気候変動の影響も大きい。
「日本が資源保護のために漁獲量を制限する一方、台湾は未成熟なサンマを乱獲し放題。イカも温暖化の影響で、産卵、回遊場所が北上。中国・台湾などの漁獲量が増加した影響もあり、日本での水揚げ量は激減しています」(漁業関係者)
前出の米川氏も日本の回転寿司の危機を指摘する。
「大手は全国に600店も出店していて飽和状態。今後、国内の店舗数は減り、海外へシフトする傾向となるでしょう」
ネタはもちろん、回転寿司も日本から消えてしまうかもしれない。