日本各地で大雨による被害が相次いでいる。
「7月10日に九州北部を襲った線状降水帯による大雨では、9人が亡くなりました。15〜16日にかけ、秋田県に甚大な被害をもたらした記録的豪雨でも1人の死者が出た。岸田文雄総理が被災地訪問を検討するなど、社会的な問題になっています」(全国紙社会部記者)
■気象予報士も警戒
気象予報士の片山由紀子氏は、豪雨へのさらなる警戒が必要と、警鐘を鳴らす。
「九州北部、秋田の大雨は梅雨時期の雨の降り方なんです。気になるのは、現在、エルニーニョ現象が発達中で、8月に入っても大雨が続き、さらなる水害被害が出ることが想定されます」
南米ペルー沖の海水温度が上がるエルニーニョ現象が、地球規模の異常気象をもたらすことは広く知られているが、今夏はより強力な“スーパーエルニーニョ現象”に発達している。
「最近、積乱雲が数時間にわたって、同じ場所に停滞して局地的豪雨を降らせる、線状降水帯による被害が増えています。今夏は、エルニーニョ現象の影響で、お盆の時期にも大雨が降る可能性があります」(前同)
■台風が上陸しやすくなる
スーパーエルニーニョ現象がもたらすのは、線状降水帯だけではない。
「エルニーニョ現象は、太平洋高気圧の張り出しに影響するため、台風が上陸しやすくなるおそれがあります。台風による豪雨にも警戒が必要です」(同)
では、殺人級「大雨」から命を守るにはどうすれば? 危機管理ジャーナリストの古舘明廣氏が解説する。