26年前に日本にやって来た時、最も感動した日本文化の1つがフェラチオだった。

当時、新宿の東京モード学園に通う中国人留学生同士で話題になったのが、つき合っている日本人の女の子が「フェラ」をしてくれる、ということ。
「やってもらった?」「何それ?」
フェラ未経験の中国人男子たちは、経験済みの中国人男子たちのとろけるような話を実にうらやましそうに聞いていた。そんな私も、「初体験」の時は不覚にも相手の口の中で「暴発」してしまった苦い経験がある(笑)。

あれから四半世紀。中国人の性に対する考え方は、「セックス文化大革命」が起きたと言っていいぐらい大きく変わった。大陸の街角ではAVのDVDが売られ、セックスショップも堂々とオープンしている。中国人の女の子の中にも、ベッドでのフェラを拒まない子がだんだん増えて来た。

ただ、中国人と日本人の女の子には決定的に違うところがある。中国人にはまだまだベッドでのサービス精神が欠けているのだ。彼女たちには相手を悦ばそうという気持ちが足りず、フェラもどことなくおざなり。中には早く終わらせようと、わざと歯を立てて来る女の子までいる。

私に言わせれば、これは中国人がセックスという身も心も裸になるコミュニケーションで、自分を解放しきれていないことが原因だ。中国人の女の子の大半は今も、男がクンニリングスをしようとするとドン引きする。ウォシュレットが未発達という衛生面の問題もあるが、少なくとも女の子が自分から「なめて」と言わない。彼女たちは、セックスで自分を解放しきれていないのだ。

私は中国人の間でクンニが普通に行われるようになるまで、少なくともあと10年はかかるとにらんでいる。クンニが普通に行われる国は文化の先進国だ。そして文化の先進国になることと、民主主義は無関係ではない。政治が解放されなければ、人々の心は解放されないからだ。逆に言えば、クンニが普通に広まったころ、中国は民主化している可能性が高い。

政治と「性事」は決して無縁ではない――歌舞伎町案内人が現場で学んだ政治(性事)学理論である(笑)。


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