競馬新理論 井崎脩五郎
宝塚百年、記念の8枠



今年の宝塚記念は、特別な意味を持っている。

なぜかというと、宝塚と聞けば誰でも宝塚歌劇団を思い出すが、その宝塚歌劇団が初公演を行って今年でちょうど百年経つからだ。

『20世紀全記録』(講談社)を開くと、今から百年前、1914(大正3)年4月1日のところに、こうある。〈宝塚新温泉内パラダイス劇場で宝塚少女歌劇が初公演〉。

そのときの出し物は、「ドンブラコ」。そう、「川の上のほうから、大きな桃がどんぶらこ、どんぶらこと流れてきました」で始まる、昔話の「桃太郎」を歌劇化したものである。舞台上で桃太郎の格好をした少女が、「日本一」と書かれた旗を持っているそのときの写真が、『20世紀全記録』に収められている。

そこで、今回の宝塚記念のキーワードは、「百年」と「桃太郎」であることがきわめて濃厚。

百という字は「もも」とも読み、ももは「桃」に通じるので、桃色帽の8枠は要注。

そして桃太郎の「桃」も、これまた8枠をさしている。

今回、8枠は特注といっていい。

宝塚歌劇団は、1974年に、60年記念公演として「ベルサイユのばら」を初演し、空前の大ヒットとなっているが、この年の宝塚記念でも「8枠」に入ったハイセイコー(2番人気)が四角先頭で直線独走、大レコードで後続を5馬身ぶっち切っている。


本日の新着記事を読む