静粛性の損なわれた潜水艦も

ハッタリは、これだけではなかった。中国空軍"虎の子"の早期警戒管制機KJ-2000が、それだ。

「機体は、ロシアのA- 50を参考に改修。ただ、レーダーは調達できず、独自開発したものを搭載しています」(前出・古是氏)

早期警戒管制機は、レーダーで、空域内の目標を探知・分析、友軍への航空管制や指揮を行う"空の司令官"。KJ-2000の乗員は10~15人で、12機の管制能力を有するという。

「08年5月に発生した四川大地震では、KJ-2000が災害地域上空に派遣され、1度のフライトで10時間以上滞空、同時に数百機の航空機に対して指揮管制を実施したと喧伝しきりでしたが……」(前同)

前出の神浦氏がいう。「KJ-2000に早期警戒能力があるかと問われれば、ゼロではないというレベル。日本の航空自衛隊が持つE-767と比べれば、それこそ大人と中学生ぐらいの差があります」

また、中国海軍が世界に誇る"チャイニーズ・イージス"こと旅洋Ⅱ級駆逐艦は、「巡航ミサイルや戦闘機など複数目標への同時攻撃能力を持つミサイル艦としては中国初」(軍事雑誌記者)

これは6番艦までが建造されているが、「冷却システムの能力が低く、高出力にするとレーダーの探知距離が短くなる問題を抱えています。また、後部アンテナの後ろに煙突があるなど、レーダーが届く範囲にも根本的欠陥があります」(前同)

ちなみに、同海軍が誇る中国初の空母・遼寧も、肝心の甲板上からの戦闘機離着技術にはいまだ程遠い段階という。

「現在、中国海軍は遠海防衛型への転換を方針に、潜水艦能力の向上を図っています。そこで導入されたのが、静粛性に優れたロシアのキロ級潜水艦(ディーゼル型潜水艦)です」(前出・自衛隊関係者)

伊豆・小笠原諸島からグアム・サイパンを含むマリアナ諸島群などを結ぶ第2列島線進出を目論む中国が、主力兵器として購入したキロ級潜水艦。

「これは、もともとロシア近海での運用を想定して設計されたもの。ですので、冷却機構が弱く、輸出に当たってこれを改良。ただし、それによって、キロ級潜水艦最大の特徴であり、潜水艦に必須の静粛性も損なわれてしまいました」(前同)

結果、日本の海上自衛隊から簡単に潜航地点が捕捉されることになった。

「中韓のポンコツぶりは、軍装備面だけではありません。ソフト面でも、日米と比較すれば大人と子ども。たとえば、中国軍パイロットの年間飛行時間は約70時間。対して、空自は倍の150時間。その差は歴然です」(古是氏)

中韓両軍の軍備は、張子の虎同然の代物なのだ。

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