89年に発覚した足立区の女子高生監禁コンクリート詰め殺人事件に迫った『17歳の殺人者』(朝日文庫)の著書もある藤井氏は少年少女たちが起こす陰惨な事件について、こう語る。

「16~17歳というのは、一番子どもたちに変化が出やすい時期なんだと思います。大人になりかかる、人生で最も楽しいと同時に自らを取り巻く状況も大きく変わる時期でもあり、危険な欲望が爆発、暴走してしまうんです。その時期さえ通過してしまえば、抑えられるようになるんですが……」

そして、こう嘆息する。

「人を殺すことに善悪の価値を持てない子は何万人に一人の割合で必ずいる。もちろん、予兆がない場合もありますが、多くの場合、問題のある子はこの年頃に"ある種のサイン"を出しているようです。佐世保の加害少女も猫を虐待していたようですが、こうしたことを甘く見てはいけない。米国などでは重大な情報として対応しているんです。そのときどきに適切な対処をしていれば……」

氏の言うように「一人ひとりに即した細かい観察と注意が不可欠」なのだろう。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2